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アート

2025.02.23 15:00

ロールス・ロイスとシャトー・ラ・コストの共通点|今月のアートな数字

オスカー・ニーマイヤー建築のギャラリー

左:建築家リチャード・ロジャースの「La Galerie」 右:安藤忠雄「Pavillon Four Cubes to Contemplate our Environment, 2008」の内観

左:建築家リチャード・ロジャースの「La Galerie」 右:安藤忠雄「Pavillon Four Cubes to Contemplate our Environment, 2008」の内観

では、なぜシャトー・ラ・コストか。

ベグリーは、「ラグジュアリーでありながらエフォートレスで、細部に至るまで完璧にこだわっている」点がブランドと共通するという。顧客のなかには愛車のために、ギャラリーをつくるオーナーも存在する。「競合はクルマではなく美術品や不動産」ともされる逸品を、葡萄畑に佇むレンゾ・ピアノ建築に展示できることもその世界観に合ったのだという。

ところで、参加者曰く「ロールス・ロイスほど運転時間が短い試乗会は珍しい」そうだ。2.5トンの重さを感じさせないスムーズな走り、抜群の静粛性、洗練を極めたインテリアなど、それは「10秒走れば誰でもいいクルマとわかる」と言わしめるものだが、アートなワイナリーを拠点に、風光明媚なプロヴァンスを走り、古城のレストランで昼食をするというプログラムは、クルマそのものというより、“顧客のライフスタイル”の体験を目的としている。

ロールス・ロイスの顧客の多くは、既存の色やパーツを選ぶだけでなく、多彩な素材や技法を駆使してイメージを具現化する“ビスポーク”を行う。同部門の責任者は、「何でも買える顧客は、対話しながら自分だけの一台をつくるプロセスを楽しんでいる」と話す。

それは、シャトー・ラ・コストのオーナーがアーティストたちに「南仏の景観へのオマージュ」というお題で作品を依頼したのに似ているかもしれない。そうしたアイデアやクリエイションの交差により、独自性が磨かれ、ブランドはより強固なものになっていくのだろう。
(c)Rolls-Royce Motor Cars

(c)Rolls-Royce Motor Cars

文・写真=鈴木奈央 書=根本充康

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