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経営・戦略

2025.02.12 08:00

中国の茶飲料チェーン「古茗」が香港市場でIPOへ、競争は激化中

中国湖北省宜昌市にある古茗(グッドミー)の店舗(Photo by Liu Junfeng/VCG via Getty Images)

中国湖北省宜昌市にある古茗(グッドミー)の店舗(Photo by Liu Junfeng/VCG via Getty Images)

中国の茶飲料チェーン、古茗(グッドミー)創業者の王雲安(ワン・ユンアン)は、同社の評価額を200億香港ドル(約3900億円)以上とする香港市場での新規株式公開(IPO)によって、ビリオネアの地位を手に入れようとしている。しかし、アナリストは、激しい競争の中で古茗が成長を維持するのは難しいと警告している。

フォーブスは、杭州市に本社を置く古茗の会長でCEOを務める38歳の王の保有資産を、現状で9億6400万ドル(約1470億円)と推定している。同社は、2月4日の香港市場へのIPOに向けた提出書類で、最大16億香港ドル(約312億円)を調達する計画であることを明らかにした。

古茗は、このIPOで同社の評価額を最大232億香港ドル(約4530億円)にしようとしており、王の持ち株比率は40%以上になる見通しだ。この上場で、テンセントやLVCを含む5つの投資家は、全体の40.2%に相当する合計6370万株を取得することで合意している。古茗の株式の取引は、目論見書によると12日に開始される予定だ。

同社は、IPOで調達した資金を、オペレーションのデジタル化やサプライチェーンへの投資、マーケティングの強化に充てる計画だ。

しかし、香港のエバーライトセキュリティーズのケニー・エンは、古茗のIPOに警戒感を示し、投資家は茶百道(ChaPanda)や奈雪的茶(Naixue)などの競合がひしめく中国の飲料チェーン市場で同社の苦戦を予測していると指摘した。

実際、これらの香港市場に上場する2社は厳しい競争に直面しており、茶百道の株価は昨年4月のIPO初日に約30%急落し、それ以降もIPO価格を下回る水準で取引されている。

茶百道と類似した拡大戦略をとる古茗は、フランチャイズモデルを採用し、中国全土で約1万店舗を展開している。同社は、競合他社と同様のタピオカ入りバブルティーやフルーツティーを、1杯あたり10元から20元(約420円)の価格帯で提供している。

出資元にはセコイア・チャイナも

「古茗のようなミルクティーやバブルティーを主力とする飲料チェーンは、新規出店に依存して成長を維持しようとしているが、市場はこの業界に高い評価を与えていない」とエンは指摘した。

浙江理工大学で工学の学士号を取得した王は、2010年に浙江省で最初の店舗をオープンし、2011年半ばにはフランチャイズ展開を開始した。同社は、中国の南部での事業の拡大に成功した後の2020年に、その当時セコイア・チャイナとして知られた紅杉資本や米国のCoatue Management(コーチュー・マネージメント)を含む投資家から6億7400万元(約140億円)を調達していた。

浙江省に全店舗の5分の1以上を置く古茗の2024年1月から9月までの売上高は、前年同期比15.6%増の64億元(約1330億円)で純利益は11.8%増の11億元(約228億円)だった。同社は、成長の鈍化に関する懸念を認めている。

「ここ最近における業界全体の成長鈍化と競争の激化が、新規出店ペースの低下と一部の店舗における業績指標の低下につながっている」と、古茗は目論見書で述べている。それでも同社は、新規出店を増やすことで成長を続ける意向を示している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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