石破茂首相とトランプ米大統領による日米首脳会談が7日、ワシントンで行われた。共同声明や共同記者会見を見る限り、日本側が心配していたトランプ氏の「突発発言」もなく、おおむね評価される会談になった。周辺地域を含む日本の安全保障に限ってみれば、共同声明には台湾海峡、尖閣諸島、北朝鮮に関する記述がすべて盛り込まれた。ただ、関係者に話を聞くと、それぞれの記述には濃淡があり、「盛り込まれたから、もう安心」という状況でもないのだという。
トランプ氏は7日の会談から記者会見まで上機嫌だった。記者会見で、石破首相のアドリブ発言を聞くと、「very good answer」と喜んだ。4日の米・イスラエル共同記者会見で飛び出したパレスチナ自治区ガザの住民移住や米国統治発言が世界中から非難を浴び、トランプ氏の頭のなかに「日本との会談はうまくやりたい」という気持ちが芽生えたのかもしれない。ただ、日米関係筋の一人は「トランプ氏は2期政権でやりたいことをやると心に決めている。外部からの批判をいちいち気にはしていない」と話す。そのうえで、同筋は、トランプ氏が上機嫌だった理由について「事前に、日本の対米投資額の1兆ドル規模への引き上げなど、お土産を聞いていたのが大きかった」と語る。
トランプ氏は経済分野に強い関心を示す一方、安全保障分野はそれほど深い理解があるわけではない。共同記者会見では「(友好国や同盟国を)100%守る」と語ったものの、詳細な言及はしなかった。日米関係筋の一人は「トランプ氏は、安全保障分野はほとんど国務省や国防総省に丸投げしている」と語る。国防総省ではナンバー1のヘグセス長官、ナンバー2のファインバーグ副長官は同省中枢での勤務経験がない。このため、現時点では、第1期トランプ政権で国防次官補代理を務め、第2機政権ではナンバー3の国防次官に就いたエルブリッジ・コルビー氏の果たす役割が大きくなっているという。
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