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欧州

2025.02.09 09:00

クルスク州でウクライナ軍が反攻、数キロ前進 北朝鮮部隊も襲撃再開

Shutterstock.com

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ウクライナ軍は昨年8月上旬、かなりの兵力を投じてロシア西部のクルスク州に侵攻した。のちに総勢2万人規模に膨らむウクライナ軍による逆侵攻は、ロシア軍の兵力をウクライナ東部の戦線から誘引することや、同州で一定のエリアを占領して将来の和平交渉での「取引材料」にすることが狙いだった。

3か月後、ウクライナ側の兵力をはるかに上回る6万人規模のロシア・北朝鮮連合軍が反撃に乗り出した。しかし、ロシア軍部隊や援軍の1万2000人規模の北朝鮮軍部隊は連日、予測可能なルートで突撃を繰り返した結果、人員の3分の1を損耗し、ウクライナ側が保持する突出部の完全排除はいまだに果たせていない。スジャ町を中心とする突出部の広さは現在、650平方kmほどとなっている(編集注:クルスク州方面に投入されているロシア軍と北朝鮮軍の人員数には時期やソースによって異同がある。ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は1月に地元メディアTSNのインタビューで、ロシア軍「6万7000人」と北朝鮮軍「1万1000人のうちの残り」と説明している)。

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は5日の作戦状況レポートで「クルスク州のロシア軍は作戦を一時停止した」と報告している。ロシア軍部隊は兵員や車両を補充する時間が必要になったようだ。CDSは、作戦地域からの北朝鮮部隊の撤収も作戦停止の一因になったとの見方を示し、北朝鮮軍の1個か2個の新たな連隊が1〜2カ月以内に到着する見込みだとも書いている。

ロシア側の小休止に乗じてウクライナ軍の「シベルシク」作戦戦術集団は6日、攻撃を始め、突出部南東周縁の複数の軸で最大5kmほど一気に進撃した。CDSの7日の作戦状況レポートによると、スジャのすぐ南東に位置するマフノフカ村の南西と、スジャから東方のオボヤニ町へと伸びる幹線道路に沿ってチェルカースカヤ・コノペリカ村の北と東まで前進した。
シベルシク作戦戦術集団は少なくとも2つの集落、コルマコフ村とファナセーエフカ村を占領した。CDSによるとチェルカースカヤ・コノペリカでは戦闘が続いているといい、だとすればこの村にいるロシア軍部隊はウクライナ軍部隊に迂回されたことになる。損耗の激しい第810独立親衛海軍歩兵旅団をはじめ、東側の主力部隊から切り離されたのかもしれない。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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