ターゲティッド・キリング
3本目の動画は、ウクライナ南部ザポリージャ州のロシア支配地域で、ロシア軍の「オセチア突撃大隊」のセルゲイ・メリニコフ参謀長を狙った殺害の様子とされるものだ。ウクライナ国防省情報総局(HUR)がメルニコフの移動ルートやスケジュールに関する詳細な情報を入手し、待ち伏せ攻撃を計画した。動画では、1本目の動画のバギーに対する攻撃の場合と同じように、メリニコフを乗せた車の前方に回り込んだFPVドローンが、車両のフロントガラスめがけて飛んでいく。運転手は回避しようとハンドルを切り、車は路肩に乗り上げて何度も回転する。ドローンは再び旋回し、止まった車両のフロントガラスに真正面から激突する。その結果までは示されていないが、HURはメリニコフと運転手はともに死亡したと確認している。
Soldiers of the "Kraken" unit killed the chief of staff of the russian battalion "Storm Ossetia", Sergei Melnikov, — GUR
— Jürgen Nauditt 🇩🇪🇺🇦 (@jurgen_nauditt) January 5, 2025
Or, how to turn an evil russian into a good russian.
It happened on December 29, 2024 on the Vasylivka-Tokmak highway. pic.twitter.com/97GypBOxeg
地雷戦を超えて
ドローンを用いたこれらの待ち伏せ攻撃で、映像に映っている様子と同じくらい興味をそそられるのは、映像に映っていない部分だ。公開されている動画では、FPVドローンが待ち伏せ地点にどのように到達したのかは明かされていない。大きな問題になるのは、バッテリー残量である。各ドローンは、自力で待ち伏せ地点まで飛んでいき、さらに待機中と攻撃のための電力も残せていたのかもしれない。一方、これらのドローンは別のドローンで運ばれた可能性もある。
ウクライナで軍向けにドローンの資金調達や開発・製造を行っている団体、ワイルド・ホーネッツの多用途大型ドローン「クイーン・ホーネット」は、FPVドローンを運搬したり、制御範囲を広げる空中の中継基地の役割を果たしたりできる。また、英国のキア・スターマー首相は最近、ウクライナを訪問した際、ボロディミル・ゼレンスキー大統領から固定翼機型と大型の回転翼機型という2種類のFPVドローン運搬機を披露されている。
🦅🇬🇧🇺🇦 Zelensky: Drone bombers, reconnaissance UAVs, platforms - carriers of FPV drones. Produced by Ukrainian companies, as well as together with British partners. Today, with PM Starmer we met with drone manufacturers, inspected the developments that help our defenders. pic.twitter.com/oTsvWIS0Ya
— MAKS 24 🇺🇦👀 (@Maks_NAFO_FELLA) January 16, 2025