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欧州

2025.02.08 10:00

ウクライナの「待ち伏せ攻撃ドローン」、ロシア軍将校も爆殺か

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ターゲティッド・キリング

3本目の動画は、ウクライナ南部ザポリージャ州のロシア支配地域で、ロシア軍の「オセチア突撃大隊」のセルゲイ・メリニコフ参謀長を狙った殺害の様子とされるものだ。ウクライナ国防省情報総局(HUR)がメルニコフの移動ルートやスケジュールに関する詳細な情報を入手し、待ち伏せ攻撃を計画した。

動画では、1本目の動画のバギーに対する攻撃の場合と同じように、メリニコフを乗せた車の前方に回り込んだFPVドローンが、車両のフロントガラスめがけて飛んでいく。運転手は回避しようとハンドルを切り、車は路肩に乗り上げて何度も回転する。ドローンは再び旋回し、止まった車両のフロントガラスに真正面から激突する。その結果までは示されていないが、HURはメリニコフと運転手はともに死亡したと確認している。
このFPVドローンに関しては、事前に路傍に配置されていたのかどうかはわからない。けれども、戦術やセッティングがほかの攻撃とよく似ているので、その可能性は非常に高いと思われる。

地雷戦を超えて

ドローンを用いたこれらの待ち伏せ攻撃で、映像に映っている様子と同じくらい興味をそそられるのは、映像に映っていない部分だ。

公開されている動画では、FPVドローンが待ち伏せ地点にどのように到達したのかは明かされていない。大きな問題になるのは、バッテリー残量である。各ドローンは、自力で待ち伏せ地点まで飛んでいき、さらに待機中と攻撃のための電力も残せていたのかもしれない。一方、これらのドローンは別のドローンで運ばれた可能性もある。

ウクライナで軍向けにドローンの資金調達や開発・製造を行っている団体、ワイルド・ホーネッツの多用途大型ドローン「クイーン・ホーネット」は、FPVドローンを運搬したり、制御範囲を広げる空中の中継基地の役割を果たしたりできる。また、英国のキア・スターマー首相は最近、ウクライナを訪問した際、ボロディミル・ゼレンスキー大統領から固定翼機型と大型の回転翼機型という2種類のFPVドローン運搬機を披露されている
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翻訳・編集=江戸伸禎

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