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欧州

2025.02.08 10:00

ウクライナの「待ち伏せ攻撃ドローン」、ロシア軍将校も爆殺か

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続いて3機目のFPVドローンからの映像が映し出され、ドローンはATVが大破して炎上しているところを確認している。このドローンの操縦士は乗員を探し出そうとした可能性もある(積もっている雪の深さからすると足跡をたどれそうだ)が、その様子は映っていない。

動画から明らかなのは、3機のFPVドローンがすべて待ち伏せ攻撃エリアに配置されていたこと、そして操縦士たちが、兵員も貨物も運んでいなかった低価値目標にドローン3機を費やす価値があると判断していたことだ。ロシアでデザートクロス1台の調達コストは210万ルーブル(約330万円)程度にすぎない。FPVドローンは1機500ドル(約7万6000円)ほどだが、いずれにせよ、決定的な要因になるのはその装備の価格ではなく、入手しやすいかどうかという点だろう。たとえ安価な弾薬であっても、不足していれば無駄に使いたくないものだ。

草むらから補給トラックを襲撃

2本目の動画には、ロシア軍の補給トラックを狙った待ち伏せ攻撃の3つの事例がまとめられている。

最初の2例では、ウクライナ軍のFPVドローンは草むらに潜んで待ち構えている。車両が現れるとローターが起動し、画面に「ARMED(起爆準備)」という表示が出る。その後、ドローンが車両の追跡に入った映像に切り替わり、画面に「BOMB ARMED」(爆弾起爆準備)と表示される(2段階の起爆プロセスになっていることがうかがえる)。
3例目では、やはり道路脇の草むらから離陸したドローンが道路の上を飛んでいき(映像は早送りされている)、前を走っていた目標車両を捉える。このケースでは、車両が少し前に通り過ぎていたか、ドローンの操縦士が何らかの理由でいったん待ったか、あるいは偵察ドローンの操縦士から通知を受けたのかのいずれかだろう。

3つの攻撃すべてで、ウクライナ軍のドローン操縦士は車両の後方から攻撃しており、どれも操縦席の後方に照準を合わせていたようだ。おそらく運転手を狙ったのだろう。FPVドローンは弾頭が小さいので、それ以外の方法ではトラックを止めるのは難しいとみられるからだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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