広屋がNO MOREに創業メンバーとして参画したのは、この課題を打破したいとの思いからだ。同社の創業メンバーには、バーチャルヒューマン「imma」の開発を行うAwwの元取締役CMOの佐田晋一郎や、チームラボで制作・ディレクションを担当していた澁谷颯など、日本発でグローバルにコンテンツを展開してきたメンバーが名を連ねる。
「IPコンテンツへの深い理解と、テクノロジーを駆使した新たな表現手法やディストリビューションの革新を行い、世界に通用する体験型エンタメをつくり出したいと考えています」。2024年9月には、プロレスをテーマにした動画配信作品のプロモーションとして、後楽園ホールを1980年代の空間へとタイムスリップさせるイベントを企画。大きな話題を呼んだ。
さらに、中国の体験型エンタメ企業MRXとの業務提携を発表。アジア市場への展開、そして中国の体験型エンタメのフォーマットを日本にローカライズして提供する計画も進行中だ。
「中国では、コスプレ文化や推し活との相乗効果もあり若者の間に体験型エンタメが急速に普及しています。週末の予定の選択肢として、カラオケや映画と並んでマーダーミステリーやイマーシブシアターが定着している。日本でも、こうした多様な楽しみ方が文化として根付いていくはずだと信じています」
※本記事は、12月24日発売のForbesJAPAN2月号「2025年総予測 トランプ後、世界はこう変わる!」特集内の記事の転載です。
ひろや・ゆうき◎没入型ライブエンタメカンパニー「Out Of Theater」を設立後、2020年に「劇団ノーミーツ」を旗揚げ。24年にはNO MORE CCOに就任。ACCクリエイティブイノベーション部門「ゴールド賞」など受賞多数。


