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経済

2025.02.07 09:30

トランプはバイデンの過ちを正し、日本製鉄によるUSスチール買収を承認すべきだ

米ペンシルベニア州にあるモンバレー製鉄所のクレアトン工場(Thomas O'Neill/NurPhoto via Getty Images)

むしろ、両社の合併は米鉄鋼業界に有益なものとなるだろう。USスチールは投資不足により時代遅れの生産プロセスを用いざるを得ず、日本製鉄をはじめとする競合他社に遅れをとっている。業界アナリストは、日本製鉄がUSスチールに設備投資を行うことで、合併後の会社は最先端の技術を導入してコスト削減を実現できるとみている。これにより、インドのタタ製鉄や中国の宝武鋼鉄集団といった国際的な鉄鋼大手との競争力も高まる。

合併で会社の規模が大きくなるのは、鉄鋼労働者にとっても良いことだ。世界規模の事業展開が可能になるため、トレーニングや昇進の機会が増える。USスチールの労働者の多くは合併によるメリットを認識しており、全米各地の集会で買収計画への支持を表明している。

要するに、日本製鉄の高度な製造技術と、USスチールが北米で確立したインフラとプレゼンスが組み合わされば、より軽量で強度のある素材を求める自動車業界などからの需要に応えられる、より優れた革新的な製品を生み出すことができるのだ。合併がなければ、USスチールは競合他社にいっそう遅れを取り、雇用と会社の存続そのものが脅かされることになるだろう。

USスチールと日本製鉄は、政治的利益のためにデュープロセス(適正手続き)の権利が侵害されたとして複数の訴訟を起こしている。バイデン政権はこれを受け、買収計画破棄の期限を延期した。提訴について発表したプレスリリースで、両社は「バイデン大統領は、全米鉄鋼労働組合(USW)の支持を得て、自身の政治的目的を達成するために法の支配を無視した」と主張している。阻止された合併計画を取り巻く状況と、それを裏付ける杜撰な分析を考慮すると、この訴訟は妥当に思われる。

両社が法廷で勝訴し、新政権下で公正な機会を得ることになったならば、トランプは大統領として前任者の決定を再考するのが賢明だろう。合併は鉄鋼労働者、株主、そして米国にとって良いことである。それは歴史ある米国企業を強化し、最も重要な同盟国の一つとの関係をいっそう深める。さらに、米国が特定の利益や政治的配慮によって健全な分析と法の支配を損なうことはないと、他の国々に示すことにもなる。トランプがバイデンの過ちを正したいのであれば、これを手始めにするのがいいだろう。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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