この結果が示唆することは、非常に高いレベルの反脆弱性を示す者は全般的に稀かもしれないが、多くの人は、家族や知人とのつながりにおいて逆境に直面した際により強く成長する傾向がある、ということだ。
結婚生活で反脆弱性が生かされる場面とは
パートナーとの関係においては、先の見えない状況やストレス、課題がつきものだ。反脆弱性を備えたカップルであれば、これらの障壁を、単なる脅威ではなく、2人の絆をさらに深め、共に成長できる機会と見ることもできるだろう。反脆弱性を備えたカップルが成長できる道筋の例としては、以下のようなものが考えられる。
・金銭的に厳しい状況に直面しても、これを意思疎通や問題解決のスキルを磨くきっかけとしてとらえられる
・同様に、子どもが生まれた時など、大きなライフイベントに直面している際には、パートナーとの関係に新たな目的意識を見いだすかもしれない
・健康状態に対する危機に直面したパートナーの場合は、これによってお互いをより深く思いやり、支え合う心情が育まれるだろう
・遠距離恋愛の時期を過ごしてきたカップルであれば、かえって相手への信頼感が強まり、より意義ある心の結びつきが生じるだろう
ここでカギとなるのは、カップルが逆境にどう対応するか、という点のようだ。大変な時期をただ我慢し、耐え忍ぶだけでなく、よりレジリエンスと活力を伴った関係を構築していくように活用することが大切だ。
だが、どのようにすれば、結婚生活の中で、積極的に反脆弱性を培っていけるのだろうか? これを実践する上で大いに参考となる枠組みの1つが、タル・ベン・シャハー博士が提唱する「SPIRE」モデルだ。


