ビジネスは幸せを創造するためにある。幸せもまたビジネスを創造するためにある。
ITツールの進歩によって、さまざまな業種で在宅勤務の可能性がさらに広がりつつある昨今。だからこそリアルなコミュニケーションの場として、オフィスの存在が見直され始めている。
デザイン性や効率性のみならず、企業の個性をより強くアピールする仕事場から見えてくるのは、新しい働き方に呼応する新時代のオフィスのあり方だ。
異業種とのコラボでイノベーションを起こす クリエイティヴラウンジ モヴ(写真左)
(中略)「コワーキングという言葉は、この数年でかなり認知度が上がりました。MOVでは個人事業主の方や企業に勤める方がここで出会い、情報や意見を交換するなかで新しい仕事につながったり、パートナーを見つけて起業したり、業務提携を結び規模を拡大していったケースもあります。ここは多様な方とのコミュニケーションを求めて利用する方が多いですね」と、田中美希子チーフ。
オフィスは経費でなく投資、そう考える人が増えているという。そこで “街の中心にある広場”をコンセプトとし、交流を大きな目的とする空間をしつらえた。テーブル席やソファ、ベンチが配されたラウンジはどこでも自由に使え、創造性を刺激する書籍や雑を備えたライブラリーも併設。組織に属さずオフィスが必要でない人々がステップアップするための場所、あるいは新しい働き方の文化を生み出す場所というのが、このMOVの存在意義だ。(以下略、)
ブランドイメージをより高めるためのデザイン アディダスジャパン(写真右)
東京・六本木のアークヒルズ仙石山森タワー最上6階層を占める新オフィスが約1年半前に完成。以前は分散していたアディダスグループのブランドであるリーボック、ロックポートのオフィス、各ブランドのショールームすべてを1カ所に集結し、業務の効率化と社内コミュニケーションの改善を図った。各フロアには“コミュニケーション・ハブ”と呼ばれる公共スペースが設けられ、グループの一体感が高まったと社内からも好評を得ている。
グローバル化が進むなか、企業の環境にも変化が生じ、個々の社員がいかに働きやすくパフォーマンス成果が出せるかという点に経営層も重きを置き始めている。その風潮が、こういった大企業のオフィスからも読み取れる。そしてブランドイメージをより高める役割を果たすのは、企業の歴史とレガシーを強調するデザイン。レセプションには
1万4,000個のサッカースパイクの交換用スタッドで描かれた創業者アドルフ・ダスラーのモザイクアートを設置。ミーティングエリアにはアディダスとかかわりのある著名スポーツ選手の写真が飾られ、彼らが成し遂げた偉業を思い起こさせる場としている。(以下略、)