
金沢工業大学メディア情報科の松下裕研究室は、ユーザーの視線を検知してウェブ画面上の小さな文字を自動的に拡大表示する閲覧補助システムの研究を行っているが、このほど、AIの「強化学習」により、ユーザーが文字の識別に困っていることを即座に判断して対応する「視線操作Web提示システム」を開発した。強化学習とは、試行錯誤を繰り返しながら適切な行動を学ぶ機械学習の方式のことだ。
「視線操作Web提示システム」では、ユーザーの視線が500ミリ秒留まると、そこから100ミリ秒ごとに文字識別に困っているかどうかをAIに判断させることで、迅速な予測を可能にした。また、視線の移動速度や移動距離も外部条件として取り入れ、予測精度を高めている。

同研究室では、視線操作型電子メニューの研究も行っているが、このシステムは見るだけで料理の探索、選択、決定ができるファミリーレストラン用の電子メニューにも応用できるとのことだ。画面上のボタンの意味がわからず注視したときに自動的にヒントが表示される、なんていう無人レジがあってもいい。
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