【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

「あの魚」がとれなくなった?石巻を訪ねて感じた大きな変化

必要なのは挑戦力と対応力

昆布漁を営む浜人の代表でもありフィッシャーマン・ジャパンの代表も務める阿部勝太氏にもじっくり話を聞くことができた。彼によれば、昆布はうまみも味も変わらないが、色が変わってしまい、大手流通の商流にはそのままでは規格外として断られてしまうものが一部出てきたそうだ。しかし、同社は漁師業だけでなく食品加工業にも乗り出し、とれた昆布をとろろ昆布やふりかけに加工したりして、活用の幅を広げてしっかりと経営成績を上げているという。その様子にたくましさを感じた。

石巻への訪問は、海に変化が起きていることをあらためて実感することとなった。原因は地球温暖化といわれるが、温暖化にせよ寒冷化にせよ、いちばん怖いのは、その移行期に気候が安定しないということだ。安定していれば、それに合わせた対応もできるものだが、毎年変わるような不安定さだと、設備投資もできなければ、中長期の商売も見通しが立ちにくい。

日本の「食」は世界からの評価が最も高い。その一大産業を漁から消費者の口に届くまで、クオリティの高いものにし続けるには、変化への対応力や新しい取り組みへの挑戦力が求められる時代に突入しているのかもしれない。あらためてそう感じた旅となった。


なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。

文=中山亮太郎 イラストレーション=岡村亮太

ForbesBrandVoice

人気記事