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「脱炭素で新しい産業を」地銀を巻き込んだバイウィルの戦略とは

CO2削減の事業創出として「牛のふん尿」からバイオガス発電をつくる事例も/Getty Images

世界に誇れるモデルで日本に自信を

23年4月にクレジット創出事業をスタートしたバイウィルの従業員数は、1年半で2倍強に増えた。並行してパートナーも拡大し続け、支援先のCO2吸収・削減活動から生まれるクレジット創出見込量は、24年度に前年度比4.7倍にも拡大する見通しだ。24年5月にはシリーズA累計で金融機関を中心とした16社から5.7億円の資金調達を実施し、破竹の勢いで成長している。下村は、数年以内に上場も見据える。

「日本のCO2排出量は22年度で約11億トンなのですが、35年には当社でそのうちの1億トンの削減を行う道筋を立てています。日本や世界に社会的インパクトを生み出したいのです」。下村のまなざしは世界へ向けられている。

脱炭素の取り組みによって美しい地球を後世に残しつつ、日本の地方経済を活性化させ、企業には利益と社会的義務を果たす機会を与える。バイウィルはその秀逸なモデルを世界に打ち立てて、日本のプレゼンスを高めていくための音頭を取ろうというのだ。

環境保全と経済合理性という相反しがちな価値の融合は、世界共通の課題でもある。

「カーボンニュートラルの分野で世界をけん引できるような産業モデルをつくりたい。そうすれば日本は自信を取り戻せます」

※本記事は、12月24日発売のForbesJAPAN2月号「2025年総予測 トランプ後、世界はこう変わる!」特集内の記事の転載です。

下村雄一郎◎エスネットワークス執行役員、ほか数社の社外役員を歴任し、上場および未上場会社の管理・経理・財務からM&A、ファイナンス、業務改善、BPR、IPO等を手がける。Waara代表取締役を経て2023年から現職。

文=國府田淳

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