
世界的に注目されるK-カルチャーの波も、ノスタルジアの成功の一因となっています。
「このプロジェクトを始めたきっかけのひとつは、間違いなくK-POPなど”K-カルチャー”の隆盛にあやかること。韓国のエンタメや文化に世界の注目が集まったことで、フォーシーズンズや新羅ホテルといったラグジュアリーホテルを利用するゲストが、ノスタルジアを選ぶようになりました」
パク氏によると、ゲストの6割がグローバルブランドの経営者やクリエイター、セレブリティです。
「ルイ・ヴィトンやプラダなどのラグジュアリーブランドのCEOやデザイナー、建築家のトーマス・ヘザーウィックらが滞在しています。ほかにも、米インテリアデザイナーのジョアンナ・ゲインズ、フィギュアスケーターのキム・ヨナや俳優のソン・ソック、歌手のイ・ムンセなどが、ここでの滞在を発信してくれています」
完全プライベートな空間
ノスタルジアには複数棟あり、一つひとつ異なるコンセプトとストーリーで設計されています。いずれも建物と調和する中庭があり、重厚な門を一歩入れば、外の雑踏から切り離され、静かな時間が流れます。今回泊まったのは、「ヒドゥン齋(ジェ)」。リビングとキッチンダイニング、2つの寝室には中庭を眺めながら入れる半露天風呂があったほか、防空壕を改装したロマンチックな瞑想ルームもあり、文豪の家に滞在する感覚で読書したり、思索にふけったり、自分を充電できました。
そのほか、例えば「スロ齋」では、併設のアトリエで陶芸クラスを体験できたり、この空間専用に作られた音楽や香りも楽しむことができるといいます。
サービスはあえて最小限に留められ、清掃はリクエスト制。頼んだ時のみ行われ、ゴミもゲスト自身で分別します。「自然体で穏やかな時間を重視して、なるべくお客様に干渉しないサービスを心がけています」とパク氏。


