AIなどの専門的知見が強みに
こうした状況の中で、コンビクションやカテゴリ・ベンチャーズのような新興のファンドが、AIやディープテックへの深い専門知識を活かして、比較的スムーズに資金調達を成功させている。「歴史的に、VC業界におけるリターンの大半はごく少数のファームに独占されてきた。しかし、そうしたファームにアクセスできなければ、そこに入り込むのは難しい」と語るのは、TrueBridge Capital Partners(トゥルー・ブリッジ・キャピタル・パートナーズ)共同創業者のエドウィン・ポストンだ。「だが、次のBenchmark(ベンチマーク)やThrive(スライブ)のような新興ファームに投資できるなら、小規模なファンドのリターンは非常に魅力的なものになる」と彼は続けた。
これは、コンビクションのような特化型のファンドにとっては好材料だ。ミダス・リストの常連で、最近Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)を退職したマイク・ヴォルピも、Hanabi Capital(ハナビ・キャピタル)という新たなファンドを立ち上げ、自身と親しい投資家の資金を運用すると報じられている。今後は、投資資金の選択肢が広がることで、新興ファンドのための機会が増えると彼は考えている。
「私がこの業界に入った頃は、最初のファンドで1億~2億ドルを調達するなんて考えられなかった。新世代のファームが成功するかどうかはまだ分からないが、少なくとも優秀なファンドは資金を集めるのが上手い」とヴォルピは語る。
コンビクションのグオは、大手のファンドが生成AIへの投資戦略に迷う中、自らの小規模なファームが有望なAIスタートアップへの投資で勝ち続けていけると確信している。彼女は、今後パートナーを増やす予定だが、急ぐつもりはない。「限られたメンバーでも、大きなインパクトが出せると思う」と彼女は語った。
(forbes.com 原文)


