VC業界で相次ぐ独立の動き
今回のファンド規模は前回の約2倍に伸びたが、コンビクションの躍進は、ここ最近VC業界で発生中の大きな変化を象徴するものだ。ここ数カ月間で老舗のVCや大手ファームの著名なパートナーが、独立するケースが相次いでいる。例えば、ここ最近で以下のような著名なパートナーたちが新たな動きを始めている。
・元ライトスピードのアレックス・タウシグとニコール・クイン
・元セコイア・キャピタルのマット・ミラー
・元アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)のスリラム・クリシュナンとミシェル・ヴォルツ
・元ラックス・キャピタルのビラル・ズベリ
この中で、クインは引き続きライトスピードにパートタイムで残る予定で、クリシュナンは最近トランプ政権のAI政策アドバイザーに任命されたため、すぐに独自のファンドを立ち上げるわけではなさそうだ。しかし、多くは新たなVCの立ち上げに動いている。ヴォルツは、「アメリカン・ダイナミズム」と呼ばれる航空宇宙・防衛・製造業のプレシードおよびシード投資に特化したファンドを準備中とされる。
ズベリもまた、AI関連のシードおよびシリーズA向けの新ファンドを立ち上げる予定だと述べている。「一部の経験を積んだパートナーたちはここ最近、自身の情熱と専門性をアーリーステージに向けるべきだと思い始めている。この分野の投資は、多くの大企業の投資スタイルとは少し異なっている」と彼は語った。
「VC業界においては今、新たな勢力が形成されつつあると思う」と語るのは、昨年10月に初回のファンドで3億5000万ドル(約532億円)を調達したことを発表した元a16zのクリスティナ・シェンだ。彼女は、インデックス・ベンチャーズとベッセマー・ベンチャー・パートナーズに所属していた2人の投資家仲間と共に新たなVCのChemistry(ケミストリー)を立ち上げて、シリーズAに特化した投資を行う計画だ。
「2025年には、昨年以上に多くのパートナーが大手を辞めて独自のファンドを立ち上げるかもしれない」とシェンは語った。


