S&P 500は2月3日朝に2%下落して始まったが、終値は0.8%安にとどまり、時間外取引で日中の下落を取り戻した。
しかし、この安心感が長続きするかどうかは不透明で、中国への関税は予定どおり米国時間2月4日に発動される。また、今回の交渉の成功は、トランプがこの手法を脅しの手段として継続することを助長する可能性がある。彼は週末、「近いうちに」に欧州連合(EU)にも関税を課す予定だと述べていた。
そんな中、資産運用会社ウエストウッドのエイドリアン・ヘルファートは、投資家に対し、小型株や中型株のような米国内市場に焦点を当てた企業への投資を推奨している。これらの株は依然として大型株に比べて割安だと彼は指摘する。
ヘルファートが特に注目するのが、軍用電子機器やドローンを製造するクレイトス・ディフェンス(KTOS)などの米国の防衛関連株だ。トランプ政権が連邦予算の削減を打ち出しても、国防費は大きく削らないと予想できる。また、テキサスを拠点とするカレン・フロスト・バンカーズ(CFR)などの地方銀行も有望だと考えられる。
一方、CFRAリサーチのサム・ストーバルは、株式市場全体には依然として楽観的な要素があると述べている。「1月バロメーター」という指標によると、1月に株価が上昇した年は年間を通じて堅調なことが多い。S&P 500は今年1月に2.7%上昇していた。
「私は、トランプ大統領自身も貿易戦争が米国の利益にならないことを理解していると思う。大統領は、相手国が譲歩すれば、それを利用して勝利を宣言し、メンツを保とうとするだろう」と彼は分析している。
ストーバルは、通信サービスや金融、ヘルスケア、素材などのセクターに注目すべきだと指摘する。そこには、メキシコやカナダに一部の施設を持ちながらも、3日に1.7%上昇したオライリー・オートモーティブ(ORLY)や、ボストン・サイエンティフィック(BSX)、クエスト・ダイアグノスティクス(DGX)などの製薬企業が含まれる。また、主に米国内の物流施設に投資するREIT銘柄のプロロジス(PLD)も、長期的な貿易摩擦の中で好調を維持すると彼は考えている。
一部のETFも危機回避に有効
また、トランプの関税政策の狙いの1つは、米国企業に国内回帰を促し、より多くの取引を国内で行わせることにある。この動きは、すでに国内市場を主力とする小規模企業の株にプラスになる可能性がある。テトン・ウェストウッド・スモールキャップ・エクイティ・ファンド(WWSAX)を運用するニコラス・ガルッチオは、モーニングスターの小型株バリュー指数に含まれる企業はすでに収益の70%を国内で生み出しており、大型株と比べて20%のディスカウントで取引されていると指摘する。「関税の脅威は、多国籍企業がサプライチェーンを国内に戻すきっかけとなり、小型企業にとって追い風となるはずだ」と彼は主張する。さらに、よりリスクを抑えた投資先を求める人は、個別株ではなくETFのバンガード・スモールキャップ・バリュー・インデックス・ファンド(VBR)を選ぶことで、貿易戦争からの回避策とすることも可能だ。
(forbes.com 原文)