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2025.02.04 13:00

トランプの関税政策、最大の被害者は「親友」のマスク 資産が1.8兆円減少

bella1105 / Shutterstock.com

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ドナルド・トランプ大統領の関税に株式市場が反応した米国時間2月3日、最も大きな損失を被ったのは、トランプ大統領が自ら「初めての親友」と呼ぶ世界一の富豪イーロン・マスクだ。同氏の電気自動車(EV)会社テスラは、収益の足かせとなる輸入関税の影響を懸念され、株価が低迷している。

テスラ株は5%下落し、時価総額が2000億ドル(約31兆円)以上の米上場企業46社のうち最大の下落率となった。

フォーブスのリアルタイム長者番付によると、テスラ株下落によりマスクの資産は118億ドル(約1兆8000億円)減少した。これはどの億万長者よりも大きな損失である。マスクはテスラの個人筆頭株主であり、13%の株式を保有しているほか、9%の株式ボーナスについて係争中だ。

テスラ株は午前中に最大7.5%下落し、1月2日以来の最安値をつけた。

この下落は、全体相場の乱高下の一環であり、S&P500が午前中に最大1.9%下落した後、日中は0.8%安まで戻した。メキシコへの関税が1カ月間一時停止されたことで、トランプ大統領が示唆するほどの深刻な影響には至らないとの見方が広がり、相場が多少持ち直した。

テスラは2月3日、関税の見通しに大きな影響を受けた2つの主要株式グループに属していた。1つは北米サプライチェーンに大きく依存する自動車メーカー、もう1つは中国で大きな事業を展開する企業だ。先週の決算説明会で、テスラの最高財務責任者ヴァイバブ・タネジャは「関税が課される可能性は非常に高く、当社の事業や収益性に影響を与えるでしょう」と警告し、「当社は今でも全事業で世界中からの部品に依存しています」と述べた。人工知能向け半導体を手がけるエヌビディアやiPhoneメーカーのアップルも、いずれも総収入の15%以上を中国で上げているため、この日損失を被った。

イーロン・マスクは2024年5月に、当時のジョー・バイデン大統領が発動した中国製EV関税について「取引の自由を阻害したり市場を歪めたりするものは良くない」と発言していた。

マスクは自身のSNS「X」上で関税に関しては珍しく沈黙を保っているが、カナダのオンタリオ州の当局者が関税への対抗措置としてSpaceXとの6800万ドル(約105億5400万円)の契約を破棄すると表明した投稿に対し、「Oh well(まあ仕方ない)」とだけ返信した。関税の脅威やEV購入者向け連邦税額控除の縮小がささやかれる中でも、テスラ株はトランプ大統領が11月に勝利して以来53%上昇しており、顕著なパフォーマンスを維持している。

 マスクの純資産は4100億ドル(約63兆6000億円)に達しており、大統領選挙当日から2600億ドル(約23兆2800億円)以上増加したことになる。これは次点の富豪であるアマゾン創業者ジェフ・ベゾスを約1600億ドル(約24兆8200億円)上回る額だ。

 (forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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