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2025.02.05 08:00

「お伺いいたします」は間違った敬語?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「お伺いいたします」は正しい敬語なのか?

「お伺いいたします」は、相手に何かを尋ねたり確認したりする際の謙譲語表現です。「伺う」がもともと謙譲語であり、さらに「お~」と「いたします」を重ねているため、二重敬語ではないかと疑問視されることがあります。

しかし、現代のビジネスシーンでは「お伺いいたします」は定型表現として広く使われ、必ずしも誤用ではありません。むしろ相手への敬意を示す丁寧な言い回しとして受け止められることが多いため、取引先や上司など目上の人に対して用いても大きな問題はないでしょう。

ただし、「伺う」自体が十分に敬意を込めた言葉であるため、あまりに繰り返し使ったり、ほかの敬語表現と混在しすぎたりすると、逆に文章や会話が煩雑になりかねません。二重敬語とまでは言えないものの、バランスを考えて使うことが大切です。


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ビジネスシーンでの具体的な使い方

「お伺いいたします」は、相手に何かを問いかける際の非常に丁寧な表現です。例えば社外の取引先や顧客、上司や先輩といった目上の相手に対して自分の意思や質問を伝える場合などに多用されます。ここではどのような場面で用いられやすいか、具体的に確認していきましょう。

1. 面談や電話アポイントでの使用

クライアントや取引先に連絡を取るとき、日程調整や面談の依頼などで「ご都合をお伺いいたします」と述べるのは一般的な形です。このフレーズによって、相手への敬意を示しながら、都合を尋ねることができます。

一方、あまりにも連続して「お伺いいたします」を繰り返すとくどい印象を与える恐れがあるので、別の言い回しとのバランスを取るのがよいでしょう。

2. 相手の状況を尋ねるとき

製品やサービスの利用状況、あるいはトラブルが起きているかどうかなど、ビジネスにおける問い合わせや確認を行う際に「念のため状況をお伺いいたします」といった表現を使うことがあります。

「念のため確認させてください」「ご様子はいかがでしょうか」などに言い換える形もありますが、丁寧に伝えたいときには「お伺いいたします」が適しています。

3. 注意すべき点と二重敬語の可能性

「お伺いする」自体が謙譲語であるため、さらに「いたします」を付け加えると敬語としては重複しているのではないかと誤解される場合があります。
しかし、実際には「お伺いする+いたす」という形で丁寧さを強化する定型表現として成立しており、完全な誤りとは言い切れません。

ただし、「伺う」という動詞そのものがすでに謙譲語なので、「お伺い申し上げます」といった表現は重ねすぎて不自然になる可能性があるため、使う場合は文脈に注意が必要です。

類義語・言い換え表現

「お伺いいたします」は丁寧な表現ですが、それ以外にも似た役割を果たす言葉や状況に応じた別表現があります。相手の立場やシーンに応じて上手く使い分けると、コミュニケーションが円滑に進みやすくなります。

1. 「お尋ねいたします」

「伺う」以外の動詞として「尋ねる」が挙げられます。こちらも「お尋ねする」や「お尋ねいたします」という形で丁寧に伝えられます。ただし、「尋ねる」という言葉は「伺う」ほど謙譲の度合いが強くない印象を受ける人もいるため、目上の人に使う場合には文脈を考慮しましょう。

2. 「お聞きしたいのですが」

「聞く」という言葉を敬語化すると「お聞きする」となり、さらに丁寧にするなら「お聞きしたいのですが」といった言い回しが可能です。「お伺いいたします」がやや固すぎると感じる場合、もう少し口語寄りにするときに使える選択肢です。
ただし、ビジネス文章や公的な文書では「お聞きする」はややカジュアルに響く恐れもあるので状況に合わせて使い分けるとよいでしょう。

3. 「ご意見をお聞かせいただきたく存じます」

相手が持っている情報や見解を敬って尋ねる際は、「お伺いする」以外にも「ご意見をお聞かせいただきたく存じます」などの形が活用できます。これは相手の考えを尊重するニュアンスが強く、ビジネス文書の丁寧な要請としてよく用いられます。

4. 「教えていただけますか」

相手が技術や知識を持っている場合には「教える」という動詞を使うのも自然です。「教えていただけますか」「ご教授いただきたい」と言い換えると、相手が持つ専門知識を仰ぐ形になり、もう少し依頼色を強く示すことができます。
ただし、この表現も「ご教授」は本来学問的な内容に対して使うのが正しいとされるなど、細かい注意点があるため、状況を考えて選択しましょう。

例文付きの使い方

ここでは「お伺いいたします」を用いたフレーズを想定し、それぞれのシーンでの活用例を紹介します。ビジネスメールなどで使う場合、相手との距離感や上下関係を考慮しながらアレンジしてください。

  • アポイント調整:
    「来週のミーティングについて、ご都合をお伺いいたします。可能な日程をお知らせいただけますでしょうか。」
  • 電話連絡前の確認:
    「お手隙のタイミングでお電話を差し上げたいのですが、ご都合をお伺いいたします。ご都合のよい日時をお知らせください。」
  • 進捗・状況確認:
    「現在の進捗状況をお伺いいたします。もし問題や懸念点がありましたら、遠慮なくお知らせください。」

こうした文例では、「お伺いいたします」によって相手の立場を立てつつ、質問や依頼を行える形になります。ただし、何度も連続して使うと堅苦しい印象を与えるため、適宜ほかの言い回しとの併用が好ましいでしょう。

注意すべきポイント

「お伺いいたします」は、基本的に問題のない敬語表現ですが、以下のような点には留意するのが賢明です。

1. 二重敬語の疑い

前述のとおり、「伺う」がすでに謙譲語であり、さらに「お+伺う+いたす」と重ねているため、二重敬語とみなされる可能性があります。実際には、現代日本語では定型的な「謙譲語+補助動詞」であるため、大きな問題とはされないことが多いですが、厳密な言語観を持つ人によっては違和感を抱かれることがあります。

2. ほかの敬語表現との整合性

文章全体を通して、「お聞きします」「拝見します」「ご確認いただけますか」のようなほかの敬語表現と混在すると、ごちゃごちゃとした印象を与えかねません。メールや書類の敬語表現の一貫性を意識することが肝要です。

3. 口頭での自然さ

メールなど文書では問題なく使えても、口頭だと「お伺いいたします」という言い回しが少し硬いと感じる人もいるかもしれません。特に上司や先輩とカジュアルに話すときは「うかがってもよろしいでしょうか?」「お聞きしてもいいですか?」などに変え、相手との距離を考慮するとよいでしょう。


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まとめ

「お伺いいたします」は、相手に何かを尋ねる・確認する際の非常に丁寧な表現であり、ビジネスコミュニケーションにおいてはよく使われるフレーズです。二重敬語を意識しすぎて避ける必要はありませんが、あまりにも多用したり、文脈に合わないシーンで用いたりすると、かえって不自然になってしまう可能性もあります。

同義の別表現や類似フレーズ(「お尋ねいたします」「お聞きしたいのですが」「教えていただけますか」など)とバランスよく使い分け、全体的な文章や会話の流れを整えることが重要です。相手や場面に合わせてうまく敬語を使いこなし、円滑なビジネスコミュニケーションを目指しましょう。

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