Z世代にはコミュニケーションが重要
批判もあるにせよ、Z世代は今日の経済において、かけがえのない存在となる特性を備えている。彼らは、インターネットとともに成長した最初の世代であり、デジタルに精通していることから、テクノロジー、ソーシャルメディア、データ分析を巧みに使いこなす。オンライン学習やリモートワークのツールに慣れているため、ハイブリッドな勤務環境にも自然に適応できる。さらに、Z世代は価値観を重視する傾向にあり、社会正義、持続可能性、多様性を支持することが多い。これらの特性は、現代の企業が掲げる社会的責任の目標と一致する。結局のところ、我々の誰一人として、我々全員よりは賢くない。だからこそ、チームで力を合わせることが肝心だ。AIがキャリアの武器になると同時に、競争相手としてもみなされる新しい労働の世界に、Z世代はどのように適応していけばよいのだろうか。
一方でリーダーたちは、職場で最も若いZ世代が新しいスキルを習得し、新しい成果を生み出すために必要なギャップを埋められるようにするには、どんなことができるだろうか。
人事コンサルタントのブライアン・ドリスコルはニューズウィーク誌に、教育システムに欠陥があると語っている。「ロースクールを含めて長年教育を受けてきた私の立場から言えるのは、大学は学生たちに、実社会で働く準備を提供していないということだ。今日の教育は、実践よりも理論を重視している。ギリシャ神話を学ぶのはすばらしいことだが、それを教える仕事につくのでなければどうなのだろう。その教育は、企業の会議で効果的にコミュニケーションを取ったり、プロ意識を発揮したりする準備につながるだろうか。答えは、ノーだ」
しばしば指摘される課題の1つに、コミュニケーションスタイルがある。Z世代の多くは、パンデミックによる行動制限の影響を強く受けた一方で、ソーシャルメディア上で社交スキルを身につけてきた。ソーシャルプラットフォーム上で、自身の生活の細部まで発信することにためらいがない反面、他者との交流に課題を抱える者もいる。


