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北米

2025.02.03 15:00

米航空機の「車輪格納部」でドミニカからの密航者2人の遺体発見

Shutterstock.com

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ドミニカ共和国出身である10代の密航者2人の遺体が先月、米格安航空会社ジェットブルーの旅客機の車輪格納部から見つかったことで、航空分野のセキュリティに疑問が投げ掛けられている。

2人の遺体は、1月6日にニューヨーク市からフロリダ州の空港に到着したジェットブルー機から見つかった。CNNが法執行当局の情報を引用して報じたところによると、2人の遺体は「ひどく腐敗していた」という。

現地の保安官事務所は、死亡した2人がドミニカ共和国出身の10代の男性の密航者で、死因は窒息死だったと発表した。

飛行情報サイトFlightAwareによると、この航空機は6日午後11時頃に、フロリダ州のフォートローダーデール空港に到着したが、その前日の5日にドミニカ共和国のグレゴリオ・ルペロン国際空港を離陸して、ニューヨークのJFK空港に到着していた。この航空機はさらに、ジャマイカのキングストンやソルトレイクシティなどにも向かっており、最終的に2人の遺体が発見されたのは、ドミニカ共和国を離陸してから6回のフライトを経た、約33時間が経過した後のことだった。

米連邦航空局(FAA)は、機長に対しフライト前の外部点検を行うことを義務づけており、その点検には「機体の外板、着陸装置、タイヤの確認」が含まれると、FAAはフォーブスへのメール声明で述べている。しかし、エアバス機の車輪格納庫のすべての部分がこの事前の点検で確認できるわけではない。航空分野の専門家で、6年間エアバス機を操縦していた元パイロットのジョン・コックスは、「一般的にパイロットはA320の車輪格納庫の内側のドアを開けることはない」と語った。

「パイロットは毎回のフライト前に機体の外部を確認するが、内側の格納ドアを開けるのは通常、2〜3日に1回の整備作業の際になる。もし、密航者がその中に入り込んでいたならば、パイロットが発見するのは難しかっただろう」とコックスは続けた。ジェットブルーは、整備クルーがこの内側の格納ドアの奥をどの程度の頻度で点検するのかについてのコメント要請に応じなかった。

「最もシンプルな説明は、この2人がドミニカ共和国で飛行機に乗り込んだということだ」と、元米運輸省監察官で航空安全の専門家のメアリー・スキアボはフォーブスに語った。「これは、ドミニカの空港でセキュリティが突破されたことを意味する。米国の運輸保安庁(TSA)は、ドミニカ共和国の空港の保安対策が米国の基準を満たしていることを確認する責任を負っている」と彼女は続けた。

TSAは、米国だけでなく海外の空港が保安基準を満たし、米国の規制に準拠しているかを確認する責務を負っている。

「我々は、グローバルな輸送安全の役割を非常に重視している」とTSAの広報担当者はフォーブスに語った。「TSAは、外国の空港や民間航空機関に対する法的権限を持たないが、外国の空港から米国へ向かうフライトを運航する航空会社との協力を続け、航空システムの安全確保に努めている」と、この担当者は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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