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経営・戦略

2025.02.03 12:00

「気が散っている」マスクはテスラのCEOを辞めるべきだ、絶対にあり得ないが

イーロン・マスク(Kenny Holston-Pool/Getty Images)

今年もテスラの米国での販売が大きく伸びる可能性は低い。なぜなら、ゼネラル・モーターズ(GM)や現代自動車、起亜、ホンダ、リビアンなどの競合他社が、より安価で多様なEVを続々と投入しているからだ。10万ドル(約1560万円)の「サイバートラック」の販売も振るわず、マスクが1年前に見込んでいた年間25万台の生産目標の4分の1にも満たない。長らく遅れている電動大型トレーラーのセミは2026年の発売予定だが、大きな販売台数は期待できないだろう。

マスクは、今回の決算で予想通り、2025年の販売目標について具体的な数値を示さず、「年内にモデルYの改良版と低価格車が登場することで販売台数は増える」と述べるにとどめた。この状況が、マスクがテスラの未来を「自動運転タクシー」に賭ける理由を説明しているが、この話もまた、過去の誇大宣伝の延長線上にある。

ロボタクシーにも暗雲

マスクによれば、すべてが順調に進めば2026年に完全自動運転によるロボタクシーの「サイバーキャブ」を投入できるという。しかし、それは現実的ではない。なぜなら、テスラの「フル・セルフ・ドライビング」機能は、依然として人間のドライバーの監視が必要であり、これまでに少なくとも13件の事故を引き起こし、複数の政府の調査が進行中だからだ。さらに、テスラの自動運転システムはカメラのみを使用するもので、この分野で先行するWaymo(ウェイモ)のような業界リーダーが採用するレーザーやLiDAR技術を用いていない点で疑問を持たれている。

「人間は、目からレーザーを照射してクルマを運転するわけではない。人間は目と脳だけで運転する。そのデジタル版は、カメラとAIだ」とマスクは先日述べていた。これは、一見するとうまい言い回しかもしれないが、専門家は異議を唱えている。

「その理論には2つの問題がある」と、カーネギーメロン大学で自動運転車を研究するフィル・クープマン准教授は指摘する。「1つは、人間の目は非常に優れているが、テスラのカメラは夜間の性能がひどく、暗闇での障害物の検知に失敗することが多い点だ」と彼は述べた。

さらにもう1つの問題として、人間は未知の運転状況に適応できるが、テスラのソフトウェアはそれが苦手だという。「機械学習は常識に到達する前に限界に達する。機械学習は常識を持つことができない。あるのは誤った自信だけだ」とクープマン准教授は語っている。
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forbes.com原文

編集=上田裕資

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