マスクは最近、以前からの誇大な主張(例えば人型ロボット「オプティマス」が、10兆ドル[約1560兆円]以上の収益を生み出す可能性があるなどの話)に加えて、ますます奇怪な振る舞いを見せているが、テスラ株で莫大な利益を得た取締役たちは、それに異議を唱えない。取締役会のロビン・デンホルム会長は、トランプの勝利後の11月末に株価が急騰した際、11万2390株のオプションを行使し、3250万ドル(約51億円)の利益を手にしていた。
しかし、先日マスクがトランプの勝利集会でナチス式の敬礼をしたとされる出来事のはるか前から、彼の過激な発言は、テスラの評判を傷つけていた。特に米国最大のEV市場であるカリフォルニア州で、その影響が顕著だ。昨年秋のインターブランドの年次調査「世界で最も価値のあるブランド」で、テスラのブランド価値は9%下落した。
この評判の低下は、米国の消費者のクルマ購入判断に直接影響を及ぼしている。毎週数万人の消費者を対象に調査を実施するストラテジックビューの最新の調査では、新車の購入を検討している人の約3分の2が「次のクルマにテスラを選ぶことは絶対にない」と回答した。この数字は、2023年の48%から大幅に増加している。
こうした問題は、テスラの業績にもはっきりと表れている。