3. 対立は感情面のしなやかさを育むチャンス
対立は意見の相違を解決するためだけのものではなく、結婚生活と人間としての成長を支えるスキルである感情面のしなやかさを育むためのものという過激な考え方がある。心理学者のジョン・ゴットマンは2015年に発表した研究で、夫婦間の対立を乗り越える鍵は、相手を言い負かしたり即座の解決策を見つけたりすることではないと論じている。対立を修復する最も効果的な方法はユーモアや愛情、共感、共通の認識などを通じて、意見が対立してから早い段階で感情的なつながりを育むことだという。このような歩み寄りには感情面のしなやかさ、つまり落ち着いて自分のリアクションを調整し、全体像を見失わないようにする能力が必要だ。
対立における感情面のしなやかさとは次のようなものだ。
・感情のコントロール:対立の修復に先んじて愛情や理解を示すなどするには立ち止まって呼吸を整え、衝動的に反応しないように努めることが必要
・相手の視点も尊重する:責任をとったり、共感を示したりする修復は、相手の視点を尊重しながら自分の感情を認める能力を反映している
・長期的な視野に立つ:夫婦関係は一時期の仲違いよりも大きなものであることを心に刻んでおくことが感情面のしなやかさにつながる
掘り下げて考えれば、対立はすべて感情面の「筋肉 」を増強する機会だということに気づくだろう。要するに、対立はカップルの仲を引き裂くものである必要はない。正しい考え方で臨めば、対立は2人の距離を縮めるものになり得る。今度言い合いになったら、立ち止まって「ここからどんな学びが得られるか」と自問してみよう。その答えがあなたの結婚生活を救い、人生を変えるかもしれない。
(forbes.com 原文)