2025年も世界中で、数々のアート関連のイベントが開催される。キュレーターにとってもコレクターにとっても、楽しみな催しが目白押しであることは間違いない。「フェア疲れ」してしまう人もいるかもしれないが、多額の利益が見込めるフェアは、足を運ぶ価値があるはずだ。
ただ、一般のアート愛好家にとっては、実際に見に行くフェアを事前に選んでおくのが賢明。そこで、2025年に開催されるイベントを毎月1つずつ紹介する。
1~2月:BRAFAアートフェア(1月26日~2月2日)

BRAFA 2025 Joana Vasconcelos, Valkyrie Seondeok (C) ArtisTree, Taikoo Place, Swire Properties 2024
欧州で最も古くから続く主要なアートフェア、
BRAFA(ブラファ、Brussels Art fairの略)は2025年、70周年の節目を迎えた。「本物の目利き」たちのお気に入りのフェアとして引き合いに出されることが多いこのフェアは、ブリュッセル・エキスポで開催され、伝統的なアフリカンアートやアンティーク、デザイン家具、織物、ファイン・ジュエリーなど、130軒のギャラリーが約1万5000点のレアな作品が出品されている。
70周年記念となる今回はさらに充実したプログラムを用意されたほか、ポルトガルの著名アーティスト、ジョアナ・ヴァスコンセロスをゲストとして迎えた。
(1月中にはそのほか、シンガポールで「アートSG」が催された)
3月:TEFAFマーストリヒト(15~20日)

Art fair TEFAF in Maastricht 2019 (Photo by Oliver Berg/picture alliance via Getty Images)
「7000年のアートの歴史を1カ所に集める」イベントとしてオランダで開催される
TEFAFマーストリヒトには、20カ国のアートディーラー約260人が参加する。
品質と真贋、状態に関する審査を通過した巨匠の作品からハイジュエリー、20世紀の作品までが出品されるこのアートフェアには、それらを求める数万人が足を運ぶとみられている。また、今回のイベントでは「慈善活動の再考」をテーマに、アート界における民間の出資について議論する「TEFAFサミット」も開催される。
4月:瀬戸内国際芸術祭2025(4月18日~11月9日)

(Photo by Veronique DURRUTY/Gamma-Rapho via Getty Images)
日本でアートを楽しむ旅の行き先といえば、まず思い浮かべるのは瀬戸内だろう。草間彌生の「南瓜」やデイヴィッド・ホックニー、杉本博司といったアーティストたちの数十点の作品を展示し、世界的にその名を知られるようになった「ベネッセアートサイト直島」があるこの地域は、いまや日本のアートの代名詞ともいえる。
2025年には、トリエンナーレの
瀬戸内国際芸術祭が春(4月18日~5月25日)、夏(8月1日~31日)、秋(10月3日~11月9日)の3つの会期にわけて開催される。