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AI

2025.01.31 14:00

DeepSeek騒動に歓喜するAIチップのスタートアップたち

Mojahid Mottakin / Shutterstock.com

Mojahid Mottakin / Shutterstock.com

中国のスタートアップDeepSeekが、米国のAIチップ大手各社の時価総額を8000億ドル(約123兆5300億円)以上を吹き飛ばした翌日、次世代チップ企業Cerebras(セレブラス)のアンドリュー・フェルドマンCEOは、会社を救うために蒸し暑い作戦室に閉じこもっているのかと思いきや、実のところ祝杯をあげている。

「私たちはある意味、歓喜しています」とフェルドマンはフォーブスに語った。「今は本当にいい時期です。電話が鳴り止まない状況です」

AIチップのスタートアップとしては一見逆説的に思えるが、今年後半に上場が見込まれる同社は、シリコンバレーで広く信じられてきた「チップを増やし、予算を拡大すれば、それだけ優れたAIが生まれる」という通念をDeepSeekが覆したことで、急速に関心を集めているという。DeepSeekがここ数週間で、米国の最先端技術とほぼ同等の性能を持ちつつ、はるかに安価に訓練・運用できる2つのオープンソースモデルをリリースし、米国のAI覇権が揺らいでいるという大騒動を引き起こした。フェルドマンは、この結果、AIの利用がさらに爆発的に増加すると見ているのだ。

「コンピューティング性能を高めてコストを下げるたびに、市場は縮小するのではなく拡大してきた。毎回そうでした」

フェルドマンがこれほど強気なのは、時価総額40億ドル(約6175億6000万円)のCerebrasが、AIの活用を効率化するために特化したチップを作っているからだ。これは「推論」と呼ばれるプロセスで、モデルに膨大なデータを与えて学習(訓練)させる段階とは異なり、人間のようにモデルを「考えさせ」、推論させる行為を指す。ChatGPTにメールを書かせたり、コードの問題を解かせたりするときには、毎回この推論処理が行われている。
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翻訳=酒匂寛

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