「~がございます」の意味とは?
「~がございます」は、「ある」「あるものが存在する」の意を、より丁寧な表現として言い換えた敬語です。もともと「ございます」は「あります」の丁寧語として用いられる言葉で、ビジネスの場面では、客先や取引先、社内外問わず丁寧に説明したいときに便利なフレーズになります。
たとえば「弊社には、複数の新製品がございます」といえば、単に「新製品がある」と言うよりも、聞き手に対してへりくだったニュアンスを加えつつ情報を提供する形となります。
丁寧に響く一方で、使いすぎると文章や話し方が堅苦しい印象を与える可能性もあるため、相手や状況を踏まえた上で適切に選ぶことが大切です。
「~がございます」を使う際の基本ポイント
「~がございます」は、以下のような観点で正しく使うと、相手への配慮と丁寧さを両立できます。
1. 場面・相手に応じたトーン
ビジネスシーンでは、社外の取引先や来客とのやりとり、あるいは上司への報告など、へりくだりのニュアンスを重視したい場面が多々あります。
そのようなシーンで「~があります」ではなく「~がございます」と言い換えることで、相手に対してきちんとした態度を示すことができます。
ただし、社内の気心知れた同僚やフランクな雰囲気のミーティングなどでは、過度に敬語を強調すると距離を感じさせてしまうこともあるため注意しましょう。
2. 後ろに続く内容との整合性
「~がございます」という表現を使用する際は、その後に続く文や文脈との兼ね合いを考慮する必要があります。
例えば「下記に不備がございます」と言うなら、後続文でその不備に関する詳細や対処法を丁寧に説明するとよいでしょう。
一方、「~がございます」というフレーズで終わってしまうと、相手がどのような対応を求められているか分からず、コミュニケーションが中途半端になる可能性があります。
3. 「ございます」と「存じます」の混同に注意
「ございます」は「あります」の丁寧表現であり、主に「モノ」や「状況」が存在することを示す際に使われます。
それに対して「存じます」は「思います」「知っています」の丁寧表現ですので、「~が存じます」という形では物事の存在を丁寧に説明できません。「ございます」と「存じます」は似た丁寧度を持つ言葉ですが、意味や用法が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
ビジネスシーンでの具体的な使い方
「~がございます」はビジネスで幅広い場面に登場しますが、どのようなニュアンスで使うのが自然なのでしょうか。いくつかの例を挙げて解説します。
1. 案内メールや電話での案内
顧客や取引先にサービスや製品を案内する際、例えば「こちらの商品に新たなプランがございます」と言えば、相手に対してより敬意を示しつつ商品案内をする形になります。
丁寧なやりとりを大切にする職種(ホテル、旅行代理店など)で、客にプランやオプションを提案するときにも使われる表現です。
一方で、社内メッセージなどカジュアルな場面では「~があります」のほうが自然な印象を与える場合もあるため、受け取り手との距離感を意識する必要があります。
2. 会議やプレゼンでの情報共有
重要な会議で議題を提示する際や、プレゼン資料を使って説明するときには、聞き手に対して丁寧かつ分かりやすい言葉遣いを心掛けます。
例えば「次のページに、今回の調査結果がございますので、ご確認ください」という形なら、聞き手に対して資料やデータの場所を丁寧に示す印象を与えます。
「あります」でも失礼ではありませんが、来賓や上席者が多い正式なプレゼンであれば「ございます」を使うほうが無難でしょう。
3. お客様対応や接客場面
店頭や窓口などでお客様が何かを探しているときに、「今のところ在庫がございます」と返答すれば、サービス業としての礼儀を示しながら在庫の有無を伝えられます。
一方、「在庫があります」と言っても間違いではありませんが、少しだけラフに聞こえる可能性があります。高級店やフォーマルな場所では「ございます」を使うことで、店舗としての格や丁寧さを印象づけることができます。
類義語・言い換え表現
「~がございます」は非常に広く使われる言葉ですが、言い回しを変えたい場合、以下のような類義表現が考えられます。
1. 「~がございます」→「~があります」
一番カジュアルに近い形は単に「あります」です。
「在庫があります」「ご質問があります」のように言い換えると、敬語度は下がりますが、相手との距離が近い場合やビジネスカジュアルなやり取りではスムーズに伝わります。
2. 「~がございます」→「~が存在します」
「存在します」は書き言葉や特定の文脈で、より硬めの印象を与えます。
例えば、「問題点が存在します」と言えば、少し学術的・論理的な雰囲気が出ますが、会話文だと若干堅苦しすぎるかもしれません。
3. 「~がございます」→「~が見受けられます」
「見受けられます」は、「目に映る形で確認できる」というニュアンスを含むため、目視や検証結果などで判明した状況を丁寧に述べる場合に使えます。
例えば「複数のミスが見受けられます」と書けば、問題点を丁寧に指摘する文面として使えるでしょう。
4. 「~がございます」→「~が見込まれます」「~が想定されます」
何らかの予測や将来への見立てを示すときには、「見込まれます」「想定されます」が適しています。
「リスクがございます」を「リスクが見込まれます」と言い換えると、推測や予想のニュアンスが強調されます。
ただし、この場合は「すでにそこに存在する」イメージではなく、「そうなる可能性が高い」という未来志向の使い方です。
例文で見る「~がございます」
ビジネスメールや接客シーンでの使用例をいくつか挙げてみます。
(参考の記事や類似表現はあえて使わず、新しく考えた文例です)
- 「本日の会議資料については、データの更新版がございますので、後ほどメールでお送りいたします。」
- 「現在、お問い合わせが集中しているため、ご返信までにお時間がございますことをご了承ください。」
- 「別途、ご要望に沿ったサービスプランがございますので、ぜひ一度ご検討いただければ幸いです。」
- 「ただいま在庫の確認を行っておりますが、追加の在庫がございます場合は改めてご連絡いたします。」
これらはいずれも、存在を示す丁寧な言い回しとして「ございます」を使用した例です。相手を敬うニュアンスを帯びながら、必要事項を伝えているのが特徴です。
「~がございます」を使う上での注意点
「ございます」は丁寧な語感を持ちますが、使いどころや連発には気をつける必要があります。いくつかの注意点を挙げます。
1. 過度な重複敬語に注意
「ご案内がございます」などは正しいですが、「ご案内のほうがございます」などと余分な敬語を挟むと、くどい印象や重複敬語になりかねません。
「当店のサービスのご説明がございます」「追加の資料のご送付がございます」というように、敬語は一度でしっかりと使うほうが上品に伝わります。
2. 必要以上に使わない
あらゆる場面で「ございます」を濫用すると、相手によっては逆に距離感や堅苦しさを感じさせます。
例えば社内のスモールトークで、「質問がございます」を連呼するとわざとらしい印象に。適度に「あります」「あるんですけど」といった表現も織り交ぜましょう。
3. 文章の中で整合性を取る
ひとつのビジネスメールの中で、「ございます」「あります」「おられます」などが混在すると読みにくさが増します。
本文全体の文体やレベルを統一するために、特定の丁寧レベルでまとめるか、あえて冒頭で「このたびは丁寧にお話しする」と決めたら最後まで揃えることが望ましいでしょう。
まとめ
「~がございます」は、「~があります」をワンランク丁寧にした表現で、相手へ敬意を払いつつ物や状況の存在を伝える際に役立ちます。
取引先やお客様とのやり取りで、在庫の有無やサービスの存在を説明するケースなどで使うと、相手に失礼なく案内できます。しかし、社内やフランクなシーンでは過度の使用は避け、言葉の堅苦しさや距離感に配慮することも大切です。
また、類義語として「~があります」以外にも、「見受けられる」「存在する」「見込まれる」など状況に応じた言い換えも視野に入れると、表現の幅が広がります。敬語表現はTPOに合った使い方が重要ですので、ぜひ場面ごとに最適なフレーズを選択して、スムーズかつ丁寧なビジネスコミュニケーションを実現してください。



