「世界の主要企業は通常、1万6000個以上のチップを用いたスーパーコンピュータでチャットボットを訓練している」とニューヨーク・タイムズは説明している。「DeepSeekのエンジニアは、エヌビディア製チップをおよそ2000個用いるだけで十分だと述べている。DeepSeekの研究論文は、米国の大企業がAI分野で大きなリードを維持できるのかどうか、疑問を投げかけた。多くの専門家は、AI技術がいずれコモディティ化し、多くの企業がほぼ同じ製品を提供するようになると考えている」
そして今、DeepSeekによる不意打ちを受けて米国の関連銘柄が動揺し、この中国のアプリがストアでトップに立つ中、事態は綱渡りのような様相になっている。ここには多くの含意がある。ユーザーが最新で魅力的なものに飛びつかずにはいられない世界におけるAIのセキュリティ。AIチャットを利用する際にセキュリティやプライバシーをほとんど考慮しないという、以前から明らかだった問題。そして、TikTokの禁止や所有権の変更では防ぎきれない中国製バイラルアプリへの対処が必要だという現実だ。
一方で、もしどうしてもこの中国発の最新バイラルツールを使わなければならないのであれば、収集されるデータがどこへ行き、どこに保存されるのかをよく考えるべきだ。自分自身の個人情報はもちろん、(さらに悪いのは)勤務先などの情報について提供する際には細心の注意が必要である。
(forbes.com 原文)