テスラの苦境は今後も続く
しかし、テスラは、今年も米国市場でのシェアをさらに失う可能性が高いとAutoPacificのキムは語る。米国ではGMだけでなく現代自動車や起亜自動車、ホンダ、フォルクスワーゲン、リビアン、ルーシッドなどの数多くのブランドが新型EVを多数投入している。「テスラの市場シェアは競争の激化によってさらに低下するだろう。マスクの極右的な言動も確かに影響を与えているが、それ以上に影響が大きいのは、EV市場に参入している直接的な競争相手の圧倒的な数だ」とキムは続けた。
テスラのブランドのアピール力もまた弱まっている。調査会社ストラテジック・ビジョンが毎週数万人を対象に行う最新の調査では、「次に購入する車に絶対にテスラを選ばない」と答えた人が63%に上り、2023年の48%から大幅に増加していた。
一方で、GMは具体的な数値を明らかにしないものの、今年のEV販売が大幅に増加すると予想している。
「インセンティブがなくなったとしても、それが当社の戦略や計画に大きな影響を与えるとは限らない。全体的な普及速度が多少遅くなるかもしれないが、私たちの計画や戦略はここ数年、変わっていない」とGMのロイス社長は語る。