こうした低コストのバッテリー供給基盤を構築する動きは、ドイツ銀行の株式アナリスト、エジソン・ユーが今月、GM株を「買い」に格上げした理由の1つに挙げられた。彼は、GMのEV戦略が「完全に販売台数に依存するのではなく、バッテリーと材料のコスト削減にも基づくものだ」と指摘している。
「手頃な価格」をアピール
GMのEV戦略の中心にあるのは価格の手頃さであり、それが成果を上げ始めている。新型エクイノックスの価格は、約3万5000ドル(約540万円)からで、2024年第4四半期の同社のEV販売台数が125%も急増する原動力となった。今年発売予定のリニューアルされたボルトのハッチバック(3万ドル台前半から)も、さらなる販売拡大を見込んでいる。また、新型SUVのキャデラック・オプティク(5万2000ドル)や、より大きなキャデラック・リリック(5万8000ドル)がプレミアム層の購入を後押ししている。トランプ政権が新型EV購入者への7500ドル(約116万円)の税額控除を廃止したことで、EVの価格を抑えることはさらに重要になっている。
「『EVを絶対に買わない』という人々が挙げる最大の理由は価格の高さだ。しかし、価格帯が3万5000ドル以下になると、『絶対買わない』という回答が『検討するかもしれない』に変わる」と、自動車業界のコンサルタント企業AutoPacificのエド・キム社長は述べている。
GMのマーク・ロイス社長は、エクイノックスの生産を拡大し、完全に改良されたボルトの準備を進める中で、EVの価格の手頃さを最重要課題としている。新型ボルトは、2023年に廃止された約3万5000ドルの初代モデルを置き換えるものだ。