ニュースサイトGeekWireはベゾスが従業員宛てに発信したメモを入手した。その中でベゾスは、記事に書かれたような会社で働く者は「正気とは思えない」と記載。「この記事がAmazonについて書かれたものとは思わないで欲しい」と述べた。
ベゾスは「この記事はAmazonがデストピアな職場を意図的に作り出し、何の楽しみもない労働環境を与えていると主張している。私はこれがAmazonだとは思わない。そして社員の皆にもそう思わないで欲しい。社員をこんな労働環境に置く企業は、テック業界の厳しい人材獲得競争に敗れることは明白であり、繁栄もできないだろうと信ずる」と記載した。
ベゾスは滅多にインタビューを受けず、同社に対する批判にもほとんど意見を表明しないことで知られるが、今回の記事は違った反応を引き出した。NYTの記事はAmazon従業員が長時間労働を強制され、御互いを傷つけ、オフィスで泣くような職場環境に置かれていると記述した。NYTはAmazonの現役社員と元社員100人に対してインタビューを行い、癌から生還した従業員が治療後に低評価を受けた話や、死産した母親が「パフォーマンス改善プラン」に入れられたといった逸話を掲載した。
ベゾスは広報を通してNYTの取材を拒絶した。従業員への手紙の中で、彼は個別の事例についてのコメントは避けたが、記事に書かれている内容は「驚くほど非情だ」と述べた。ベゾスは従業員に対し、そのような行いを聞いたことがあれば、人事部に報告することを促し、「Amazonはそのような非情な行いを絶対に許さない」ことを強調した。
ベゾスはまた従業員らが記事をもし読んでいないのであればぜひ読むよう促した。さらに、Amazonの技術リーダーのニック・シウボタリウがLinkedInに投稿した記事を読むように勧めた。彼はNYTの記事を引用し、段落ごとに反論を掲載。当該記事は「あからさまな間違いだ」と批評した。
「この記事に描かれているAmazonはかつて存在したかもしれない。」と彼は記述した。「人々が『昔の会社がどうであったか』について話すのを聞いたことがある。しかし、今日のAmazonは全く別物だ」