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2025.02.26 16:15

ホームセンターがすごい。オンライン在庫開示で顧客を引き寄せる

Getty Images

Home Depotは何をしているのか?

図2は筆者がニューヨークでHome DepotのWebサイトで在庫を検索したときのものだが、白色のタイルが、Manhattan W23 St.の店舗に155枚あることがわかる。

図2 - Home DepotのWebサイト

図3のように、Home Depotを始めとした小売店の開示在庫を更に見やすくまとめた外部サイトも存在している。商品コードと場所で在庫の検索を行うことができ、複数の店舗の在庫状況・在庫数を一覧にして表示してくれるため、最寄りの店舗の在庫がない場合でも、他店舗在庫も見て、希望数を購入できる店舗を見つけることができる。

図3 - StockTrackの店舗在庫検索結果イメージ

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在庫開示が生み出す販売機会

店舗の在庫を開示するということは、店舗在庫の販売機会をデジタル領域にまで広げることができるということだ。実際に、Home Depotの2024年の第2四半期の既存店売上高は3.3%減だったが、オンライン販売については好調で、前年比で4%増加し、前期の3.3%増から加速している。

また、BOPIS(Buy Online Pick Up In Store)に取り組んだ結果、オンライン注文のほぼ半分が店舗で受け渡しされるようになった。これらは顧客の「今すぐ欲しい」ニーズに向き合った賜物だと言える。

店舗在庫開示は八方好し

Googleの調査によると、今すぐに欲しい商品は店舗に行って買い物をすると、62%の消費者が回答している。店舗在庫をオンラインで開示し販売機会を広げることが、これからの小売業が効率的に売上を拡大するために求められていくはずだ。

また、物流の2024年問題をふまえてラストワンマイルのデリバリーを抑制すべきだ。その観点からも、近くの店舗に在庫があることをオンラインで開示し、消費者に店舗に買い物に来てもらうという動線を太くすることは、ホームセンターのみならず、小売業界全体で取組むべきだ。これは、小売店舗、物流企業、消費者のいずれにとっても望ましい姿だからだ。

そのときに、店舗の在庫データの信頼性をいかにして高く保つか、これが小売業の競争優位性を左右するはずである。


三井朱音◎Avery Dennison Smartrac マーケットディベロップメントディレクター。大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティングにて航空、宇宙防衛、自動車、重工業等への顧客へのコンサルティングに従事し、2014年にAvery Dennisonに入社。アパレル顧客へのRFID導入やバングラデシュをはじめとする各生産拠点におけるカイゼンプロジェクトなどをリードし、現在は物流/サプライチェーンの観点から物流・小売企業へのデジタル技術導入の戦略立案や実装支援を行う。慶應義塾大学法学部卒。フランスのトゥールーズ第1社会科学大学に交換留学。茶道師範。

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文=三井朱音

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