だとすれば、第157機械化旅団がポクロウシク方面などに到着した時点でばらばらになっていたのも不思議ではない。連れてこられた自陣の塹壕をひと目見て、すぐに立ち去った兵士らもいたという。
このままでは破滅的なことになると察知したポクロウシク方面の上級指揮官らは、第157機械化旅団から中隊や大隊を引き抜き、この方面でマンパワー(人的戦力)不足に苦しんでいる経験豊富な旅団に配属し始めた。
これによって第157機械化旅団の崩壊はさらに加速した。Militarylandは同旅団の軍人の話として「この新旅団は『スペアパーツ』に分解されてしまっているので、適切な連携もとれなくなっている」と伝えている。
第155機械化旅団は150番台の旅団で最も悪評高い。もっとも、実際の戦闘条件に初めて接した際に崩れた部隊は第155機械化旅団だけではない。第155機械化旅団の場合は、昨年12月下旬、ドイツ製のレオパルト2A4戦車などとともにポクロウシク方面に展開し、たちまち崩壊した。
経験不足で統率力も低かった第155機械化旅団は、ロシア軍との最初の衝突で大損害を被った。ポクロウシク方面の指揮官たちは同旅団を分割し、生き残った中隊や大隊を同じ方面の経験豊富な部隊に転属させた。
批判者に言わせれば、ウクライナ軍参謀本部は、戦意を喪失した旅団は前線に投入する前の時点で解体すべきだった。個々の兵士や戦車は、十分な経験があるが戦闘で疲弊している旅団、つまりロシア軍と戦って生き残る方法をすでに知っている旅団の回復に充当できるはずだった。第157機械化旅団のある軍人もフロマツィケの取材に「どうして既存の旅団を補充しないのか」と疑問を呈している。


