2015年にJournal of Family Issues誌に発表された研究によると、結婚や同棲は、公的(集合的)なアイデンティティおよび個的なアイデンティティの両方に変化をもたらし、「私」から「私たち」へ焦点を移す。言い換えれば、パートナーシップにおける新たな役割に適応するのに伴って、個人の自己認識や、その人に対する周囲の見方が変わっていくのだ。
この研究が実施したインタビューは、人々が次のような「二重の変化」を経験することを明らかにしている。
・自分自身をどう見るか
自分のアイデンティティを、1人の個人としてよりも、カップルや共同体の一部として捉える傾向が強まる可能性がある。
・他の人からどう見られるか
社会や、所属する社会的集団は、結婚や同棲生活を始めた2人に対して、それにふさわしい振る舞いを期待する。そのことが、自分を人前でどう見せるかに影響を及ぼす場合がある。
それでもカップルは、2人のアイデンティティを反映するような共有体験に時間を割く一方で、それぞれが趣味や目標を追求するなど、個人の成長につながる活動にも取り組むことができる。そのようにすれば、「私」から「私たち」への移行は、個人性を完全に消去しないものになり得る。
ファンタジー・ボンドの起源を探る
2人の関係がファンタジー・ボンドに陥っていないかが心配なら、いくつかの兆候を観察することが重要だ。つまり、感情的な距離がある、やり取りがルーティン化している、深い感情的な関わりが欠如している、といったものだ。内面に目を向けるこのようなプロセスは、楽しいものではないかもしれないが、パートナー間の、オープンで内省的な対話は必要だ。パートナー双方が、自分たちの関係を率直に評価すれば、2人が共有する有害なファンタジーについて、はるかに特定しやすくなる。
最も重要なこととして、カップルは、ファンタジー・ボンドの起源に焦点を当てなくてはならない。具体的には、関係の理想化に影響を及ぼしていると考えられる過去の経験、すなわち、幼少期の人間関係や、過去の恋愛、個人的な不安などを検証することだ。
ただし、このような起源を突き止めるには、セラピーや内省の機会をもつことが理想的な解決策となる。それらは同時に、ファンタジー・ボンドの呪縛から抜け出すための道筋も提供してくれるからだ。
(forbes.com 原文)


