変化を促しているのは人員削減だ。Yahoo!ニュースは、年収6桁(10万ドル超)のホワイトカラーたちの求人市場が不況にあると断言した。Bloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)は、世界の銀行は今後3~5年で20万人の人員を削減すると予想している。
このように求人市場が縮小するなかで、キャリアにおける自立性と柔軟性のニーズが高まっている。メタ、Bayer(バイエル)、GE(ゼネラル・エレクトリック)、3Mなどの企業にとって、マネージャーを排除する動きは、従業員に新たな要件を提示する方向への第一歩だ。マネジメントという概念が、これまでとは異なる意味を持つようになる「新たなニューノーマル」に、我々はどう備えていけるのだろうか。
セルフリーダーシップが、新しいマネジメントになる
作家でありリーダーシップの専門家でもあるスティーブ・デニングは、新しいマネジメント構造の研究を行っている。同氏によれば、高いパフォーマンスを発揮するチームの多くは、マネージャー主導ではない。最高の成果が生まれるのは、マネジメントが一歩引き、チームによる自己管理を許す時なのだという。「自己管理型チームのエネルギーや情熱、そして高い生産性は、チームメンバーが自分の仕事を整理し、チームに対して自分の潜在能力をフルに貢献できる機会を楽しむことから生まれる」とデニングは述べる。
マネージャー層が削減されているのは、企業が収益性と効率性を追求し、個々の従業員の力を強化するためだ。しかし、自己主導型マネジメント構造への移行は、ChatGPTのプロンプトを書くように簡単なものではない。
マネージャーが削減されている今、従業員たちは誰が責任者なのかを知りたがっている。予算配分、製品発売日、法的承認の意思決定は、誰が行うのだろう? 休暇申請の承認権限は、誰が持っているのだろう? 答えは組織によって異なるが、進むべき道として、「より大きな自律性」が浮上している。
マネージャーがいない世界には、チャンスが出現する。自分を向上させ、セルフリーダーシップの世界に踏み込むチャンスだ。これから紹介する3つのセルフリーダーシップスキルは、仕事の未来に備え、将来にわたって通用するキャリアを築く助けになるだろう。