「言い訳」としてのインポスター症候群
インポスター症候群が真の課題であることは、間違いない。だが、それはリスクに立ち向かうこと、あるいは変化を受け入れることを避けるための「容認可能な」理由とされている場合も多い。個人・組織が対応を怠ることとインポスター症候群が深く関わり合っていることを明らかに示す状況には、以下のようなものがある。
・リスクの回避:インポスター症候群の人はその症状を理由に、新市場の開拓や、まだ試されていない戦略への投資などを避けることがある。それは、成長の妨げや、事業開発の停滞につながり得る
・変化への抵抗:自信がないため気が進まないとして、リーダーが組織の変化に抵抗する場合がある。慣れ親しんだものに固執することで、無意識のうちにチームや会社の可能性を制限している
・自主性の欠如:成功に必要な資格や能力があっても、症状を理由に尻込みし、新たな職務を担うことや、昇進を断る場合がある
覚えておくべきこと
インポスター症候群の症状がある人は、自らそうした精神状態に陥っているわけではない。重要なのは、その点を理解することだ。症状はその人自身に深く根を張った心理パターンに以下のような環境要因が加わることによって、現れる場合が多い。・成績優秀者であること:期待される以上を自らに課すことが多い完璧主義者や成績優秀な人は、特に影響を受けやすい
・体系的な偏見:女性、有色人種は特にこの症状に悩むことが多く、その影響はこの人たちの能力や帰属意識を疑う社会的、組織的な偏見によって、さらに増幅されている
・有害な職場環境:協力よりも競争を重視する文化は、さらに自信を失わせるものとなる


