AI

2025.01.26 09:00

「AIによる検索」の普及でビジネスモデル崩壊中、旅行関連企業の危機感と対策

Shutterstock.com

一方、グーグルの「AIによる概要」は、検索市場における同社の独占を脅かすChatGPTに対抗するための機能だと、コンサルティング企業SEO Brandのマイク・サルヴァッジョCEOは述べている。OpenAIが提供するChatGPTは、リンクの引用を含まない検索結果を提供して、グーグルの検索サービスを置き換えようとしている。
advertisement

そんな中、トリップアドバイザーとYelpは、エヌビディアとジェフ・ベゾスが支援するAI検索エンジンのPerplexity(パープレキシティ)にデータをライセンス供与する契約を発表した。Yelpは、Perplexityの検索結果に同社のサイトへのリンクが含まれることを強調した。

企業の「検索依存」離れ

また、Kayakや他のサイトは、インフルエンサーマーケティングなどの検索以外の顧客の獲得手法の活用を強化している。Kayakの昨年1月のスポンサーコンテンツの1つは、これまでTikTokで約4400万回視聴されている。同社は、グーグルが「AIによる概要」を開始して以降に、さらにいくつかの投稿をスポンサーし、ある動画は1800万回再生され、他の数本もそれぞれ100万回以上の再生回数を記録している。

このような取り組みは、オンライン上の行動様式を変えつつある若いユーザー取り込むためのものだ。「あなたが今、25歳未満だったとしたら、今がまさに生涯にわたるウェブ上の習慣を形成しつつある時期だ」とKayakのハフナーCEOは述べている。

「若いユーザーたちは、TikTokやインスタグラムで新しいサービスを見つけたり、ChatGPTをデフォルトの検索エンジンとして使っているが、そうした人々こそが私たちがターゲットとすべき顧客だ」と彼は続けた。
advertisement

もちろん、現時点ではTikTokやChatGPTでフライトを予約することはできないが、その状況も変わるかもしれない。「数十年に渡って、企業にとって重要な収益源であり続けてきたグーグルからのトラフィックが減少しつつあることは明らかだ」とKayakの広告キャンペーンを手掛けるクリエイティブエージェンシーPepperの創業者のナジャ・サムターは述べた。

「私たちは長年、1つのカゴにすべての卵を入れてきたようなものだ」と彼女は言う。「そして今、そのカゴが消えてしまおうとしている」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事