日本を含む世界42カ国・地域の雇用主を対象に人材確保が困難であると感じているかを調査したところ、日本は77%で15位。トップはドイツで86%、2位がイスラエルの85%、3位がポルトガルの84%となっている。世界平均が74%なので日本もそれよりは人材確保が困難ではあるものの、それ以上に感じている国や地域が多いことがわかる。


ただ、昨年の調査では日本は85%あったことから、上位に顔を並べていても不思議ではない状況だ。
必要とされているテクニカルスキルとして、日本では「人事」が44%でトップ。「営業・マーケティング」が30%、「IT・データ」が24%と続いている。これは、企業は従業員のリスキリング強化やIT人材の育成、採用に注力し、多様な働き方を支えるための労務管理や人事関連のプログラム設計・運用を実行できる「人事関連のスキル」の重要性が高まっているとマンパワーグループでは分析している。

では、人手不足を解消するために雇用主が講じる施策としては、「賃金引き上げ」「既存従業員のスキルアップ・リスキリング」が30%でトップ。「より柔軟に働ける選択肢を提供」が23%と続いている。賃上げだけでなく、従業員のキャリア形成支援など、多角的な取り組みを進めることで、人材の確保に繋げている企業が多いことがうかがえる。

日本では、10年以上前から慢性的に人材不足に悩まされてきたが、世界的にも5年ほど前からその傾向が強くなってきている。人材不足を解消すべく、より良い人材を確保することだけでなく、従業員の育成やDXによる作業効率の見直しを積極的に進めていく必要に迫られている。
出典:マンパワーグループ「2025年人材不足に関する調査詳細」より