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欧州

2025.01.24 09:00

ウクライナ特殊部隊が北朝鮮部隊と8時間の激闘 大損害与えるも後退か

Shutterstock.com

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ロシア西部クルスク州で今月12日かその前日ごろ、ウクライナ特殊作戦軍の分隊が少なくとも3倍の規模の北朝鮮軍部隊と戦った。

独立西部特殊作戦センター(旧第8特殊任務連隊)の特殊部隊員十数人と支援部隊は、北朝鮮兵数十人を相手に狙撃銃やドローン(無人機)で近接戦闘を行った。クルスク州のウクライナ側突出部の北西周縁に位置するクルーグレニコエ村近くの雑木林で8時間にわたる激戦を繰り広げたあと、特殊部隊員らは装甲トラックに乗り込み、数百m東の主防御線側に撤収した。

西部特殊作戦センターは、紀元前480年、少数のスパルタ軍がペルシア軍の大軍を迎え撃って玉砕したテルモピュライ(テルモピレー)の戦いを題材にした映画『スパルタ総攻撃』を引き合いに出しつつ、この戦闘では「部隊の誰一人負傷しなかった」と主張している。同センターがソーシャルメディアに投稿した動画によれば、北朝鮮側は多大な人的損害を被ったもようだ。一方で、ウクライナ側のはっきりとした勝利だったと言えるのかも微妙だ。●

特殊作戦軍の部隊はたしかに多数の北朝鮮兵を殺害したのかもしれない。昨年10月下旬からクルスク州に送り込まれた朝鮮人民軍第11軍団は、今月初めまでに人員1万2000人のうち約3分の1を損耗したとされ、この戦闘でさらに損耗を重ねた。第11軍団は、昨年8月に2万人規模のウクライナ軍部隊が奇襲攻撃でつくり出し、現在650平方kmほどの広さの突出部を排除しようとしているロシア側部隊の兵力の2割を占める。

とはいえ、多数の北朝鮮兵を殺害しても、ロシア・北朝鮮連合軍がクルスク州でウクライナ軍を押し込んでいくのを止められるとは限らない。ウクライナの防衛戦略センター(CDS)の報告によると、ロシア側は22日、突出部北西周縁のビクトロウカ村とニコリスキー村の西の外れまで前進している。

ロシアのマンパワー(人的戦力)システムはますます逼迫してきている兆しがあり、ロシア軍はウクライナとクルスク州で60万人超の兵力を維持するのに苦労している。たとえば、ロシア軍の野戦軍のひとつである第20親衛諸兵科連合軍は、負傷兵を病院に送って回復させるのではなく、傷が癒えていない状態のまま再び戦闘に投入している。こうした「松葉づえ部隊」はウクライナ軍のドローンの格好の目標になっている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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