画面操作と作動履歴データ
多くの機種には画面の作動状況を監視する機能が備わっており、画面が表示されていた時間や、タップ、スワイプ、ジェスチャーなどの操作を記録している。デジタル犯罪科学の専門家はこのデータを分析し、事故に至る重大な瞬間に機器を操作していたかどうかを確認できる。この分析によって、画面がタッチされていたか、文字入力が行われていたか、スクロールされていたか、ナビを作動させていたか、といったアプリの使用状況を明らかにできる可能性がある。画面の角度を傾けたり、Bluetoothに接続したというような、わずかな操作でも調査可能な痕跡が残る。閲覧履歴と通知
スマートフォンにはウェブサイトの閲覧履歴と通知の記録も残る。デジタル犯罪科学の専門家は、事故の寸前に運転者がインターネットのウェブページを閲覧していたか、記事を読んでいたか、通知を確認していたか、といったことも明らかにできる。このようなデータは、運転者の注意がいかに逸れていたかを提示し、立件するための材料となる。
スマホから削除したデータも復元可能
メッセージや通話履歴、アプリの使用履歴を削除することによって、スマートフォンの使用を隠そうとしても、背後にデジタルの痕跡が残っている場合がある。高度な犯罪科学ツールを使えば、削除されたテキストメッセージや画像などのデータも復元でき、意図的に削除した証拠を暴くことができる。例えば、事件の直後にアンインストールされたアプリや、調査員に機器を渡す前に消去されたメッセージなども、このようなツールによって暴かれる可能性がある。元のコンテンツがなくても、削除した行為自体が証拠となり、注意散漫な行動を隠蔽しようとした意思を示すことができるのだ。
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