日本が遅れをとる セレブ対象の「ヴィラ・ビジネス」とは?

モルディブにあるヴィラ(Photo by EyesWideOpen/Getty Images)

日本のヴィラ事情:ニセコの成功例

ニセコに2020年にオープンした、外国のセレブや富裕層顧客を対象とした「ハク・ヴィラズ」と言う施設が存在する。高級不動産H2グループの所有で、初期の顧客は共同経営者で中国系米人のマイケル・チェン氏の人脈によるものだったが、口コミにより今ではニセコのパウダースノーを求めるセレブと富裕層で完売状態にある。
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ハク・ヴィラズ(外観)

ハク・ヴィラズ(外観)

黒いUVガラスで囲まれた7階建ての建物で、中に入ると滞在中は飲み放題のドン・ペリニョンをウェルカムドリンクとして提供される。ヴィラの占有フロアに通されるが、そこには7つの寝室、さらにメイドとボディーガード用の寝室、サウナ、露天風呂などが用意されている。部屋からは羊蹄山が正面に見え、ニセコのスキーゲレンデのリフト乗り場まで200メートルと利便性も抜群だ。滞在中はプライベートシェフが北海道の山海の珍味を素材にした料理を提供するが、寿司職人を呼ぶことも可能である。

羊蹄山が正面に見える露天風呂付きのヴィラ

羊蹄山が正面に見える露天風呂付きのヴィラ

一週間滞在の基本料金は概ね1350万円。チェン氏によれば、大型プライベートジェットで欧州から新千歳空港まで往復すれば、7500万円はかかるので、富裕層にとってはそれほど大きな金額ではないそう。

ハク・ヴィラズ(内装)

ハク・ヴィラズ(内装) 日本の富裕層でこうした施設を利用するのは、主に一般にはほとんど知られていないYPC(ヤング・プレジデンツ・クラブ)の会員たちだ。YPCは資産が概ね50億円以上の事業主のみが入会できる国際的な組織で、親睦に加え、共同出資や投資情報が会員間で頻繁に交換される。彼らは個人的に数家族で集まって交歓することが多く、目立つことなく長期滞在も可能なH2が運営するヴィラのような施設は最適なのだ。

国内事業者が抱える課題と展望

とはいえ、顧客の大半が外国人富裕層だ。日本国内で、海外からのセレブと富裕層を対象とした施設が、外国人によって所有・運営されるという、まるで植民地時代の宗主国企業がリゾートを運営しているかのような状況に近い。
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ほとんどの国内事業者は富裕層対象のヴィラ経営に経験がないことから、いまだ及び腰だ。セレブや超富裕層を呼び込むことが観光立国には不可欠であり、その実現のためには早期にニセコや白馬から着手すべきだろう。

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