働き方

2025.01.23 09:15

若手社員の育成に効果的な「内省支援」 ただし逆効果に注意

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若手社員を育てるための支援には、業務支援、精神支援と、もうひとつ内省支援がある。業務を振り返り次につなげるための支援だ。自身の行動を客観的に振り返ることで自己成長を促す。この内省支援が、主体性をもって積極的に行動できる人間を育てるうえで重要だという。それには他者のサポートが欠かせない。では、どのようにサポートするのが効果的なのか。

組織開発や人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)は、社会人1年目から4年目までの若手社員1200人を対象に内省支援に関する意識調査を実施した。それによれば、内省支援を受けていると実感している若手社員はほぼ半数。1年目の新人の場合は約3割が「まったくしてもらえていない」と答えている。同社が行った業務支援、精神支援に関する同等の調査で、それらの支援を受けたと実感する人の割合とくらべると、やや少ない。

業務支援や精神支援と違い、内省支援は具体的に何をしたらいいのかわかりにくいのが難点だ。実際に受けた内省支援の内容は、業務や行動の振り返りサポートがいちばん多い。続いて、自分の強みや弱みを気づかせてくれること、多角的な視点でのアドバイス、課題の原因を見つけるサポート、思考を深めるためのヒアリングなどとなっている。

効果のほどはどうだろう。ALL DIFFERENTは、「やりがいを感じた」もの、「成長のために頑張ろうと思った」もの、「会社を辞めたくなった」ものの3つに絞って若手社員に聞いた。

やりがいを感じた支援は、業務や行動への振り返りサポートが突出して多かった。成長のために頑張ろうと思った支援は、自分の強みや弱みの伝達がトップ。業務や行動への振り返りサポートは2位だが、その差はわずかだ。それ以下の支援内容の順位は、上記の「実際に受けた内省支援の内容」とほぼ変わっていない。支援内容はほとんど間違っていないことを示している。

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文 = 金井哲夫

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