課題となるのはインバウンド認知の低さ
——日本には400以上のスキー場があると言われていますが、お城とこれほどまでに近いスノーリゾートは珍しいですね。訪日外国人客からも人気を博しそうですが、現在の利用客におけるインバウンド率はどのくらいなのでしょうか。森本 それが……まだ3%程度なんです。これは他施設と比べて決して高いとは言えない数字ですが、やはり東日本大震災以降の福島への風評被害が影響していることは否定できません。そこで、会津磐梯エリアが観光庁の「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」に採択されたことをきっかけに、地方自治体やスキー事業者、関係団体など、官民一体となってインバウンドをはじめとする観光客の増加を目指す体制を整えています。
具体的には地域の観光事業者との連携をさらに強化し、シャトルバスの本数を増加したり、競合施設への送客を行うなど……シュリンクしたパイをとりあうのではなく競合他社とパイを広げあうことに注力していけたら、会津エリアの冬季観光需要は大きく拡大すると確信しています。
——地域の魅力を味わうということにおいては、リゾート内の「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」も大きく貢献しているのではないですか?森本 まず「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」は、南ゲレンデに直結していることからスキーイン・スキーアウトできる“スキーヤー・スノーボーダーファースト”がコンセプトなのですが、同時に郷土料理や民芸など、会津地域の独自の文化も楽しむことができる多彩な体験を用意しています。福島の日本酒を味わえる「会津 SAKE BAR」や、赤べこの櫓を囲んで、民謡「会津磐梯山」に合わせた盆踊り体験、裏磐梯での「わかさぎ釣り」など、当地ならではの旅の思い出も充実させることができるでしょう。

——南北の斜面がつながってまだ丸1年が経過したばかりですし、「星野リゾート ネコマ マウンテン」の誕生をきっかけにこのエリアは大きく変貌していきそうですね。森本 会津から発信する「AIZU SKI」が、日本のスノーリゾートの在り方を大きく変えてくれると確信しています。
星野リゾート ネコマ マウンテン
https://www.nekoma.co.jp/
もりもと・ごお◎星野リゾート磐梯事業所総支配人。10代からスノーボードのアルペン競技者として国内外7カ国を転戦。競技引退後の2007年に「星野リゾート」に入社。全国7施設の温泉旅館やリゾート運営に従事し、内5施設で総支配人を歴任。18年磐梯事業所の総支配人に着任し、ネコマ マウンテンの他、ホテル、ゴルフ場など総合リゾートを運営。東北索道協会福島地区部会会長や、会津磐梯スノーリゾート形成計画推進協議会の設立メンバーとして幹事を務めるなど、スノーリゾートとしての地域観光ブランディングに取り組み、会津磐梯エリアの冬季観光需要拡大を推進している。 

