2025.01.27 13:15

会津からAIZUへ──世界水準へと進化する日本のスノーリゾート

スキー×会津の文化で唯一無二のスノーリゾートへ

——「星野リゾート ネコマ マウンテン」は国内で最大級に広いゲレンデを持っているそうですね。
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森本剛(以下森本) 奥羽山脈の南端に位置する猫魔が岳(1403m)の南斜面にあった「アルツ磐梯(旧)」と北斜面にあった「猫魔スキー場(旧)」をリフトでつなげることで、総面積189haのゲレンデとなりました。これは面積としては国内で10番目の広さですが、東西に開けているゲレンデが多いなか、南北に斜面をもっているという点で非常にユニークなリゾートです。

——同じ山であっても、南北に分かれていることで印象がだいぶ異なるのでしょうか?

森本 たとえば気温ひとつとっても、今日の南エリアが-3℃だとしたら、北エリアは-11℃と5~8℃ほど異なります。南エリアは、晴れた日には磐梯山と猪苗代湖を目の前に望むことができて、気持ちよく滑ることのできるエリアで、中級レベルのロングコースや、初心者向けのスノーエスカレーター、テーマ別の異なるパークなどが設置され、多彩に遊べるのが魅力。一方、北エリアは、特異な地形と環境がもたらす良質なパウダースノーと豊富な積雪量が特徴的。幻想的な霧氷もいたるところで見られるし、同じ山であっても天候次第でまったく異なる個性をもっていますね。
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樹氷が美しい北側斜面。中~上級者向けのイメージが強かったが、ベースから中腹までクワッドリフトを開設したことでファミリーユースも増加した。

霧氷が美しい北エリア。中~上級者向けのイメージが強かったが、ベースから中腹までクワッドリフトを開設したことでファミリーユースも増加した。

──同じリゾートでありながら、表情が違うゲレンデがあるとはちょっと欧米のスノーリゾートを想起させます。森本さんはかつてスノーボードのアルペン競技者として世界を転戦してきた経歴をお持ちで、海外のリゾートもたくさんご覧になってきたと思いますが、日本と、たとえば欧米のそれとではどこが違うのでしょうか。

森本 まず「山を楽しむ」というカルチャーの違いです。日本ではスノーリゾートとはスキーやスノーボードで滑りにいく場所という認識ですが、欧米ではそれはマストではないんですね。ウィンタースポーツを楽しむ人もいるけれど、リフトで山の上まで登って日光浴しながらお茶を飲むだけの人もたくさんいます。たとえば家族で出かけても、スキーやスノーボードは午前中にちょっと楽しみ、そしてゆっくりとランチ、午後は近郊にドライブに出かけるなど、家族や友人たちとのコミュニケーションの時間が大切にされています。

——私たちは「今日は何本滑ろうか」「どのくらいリフトに乗ったら元が取れるか」と、つい頑張りすぎてしまうキライがあるように思えますが……。

森本 そのお気持ちもわかりますが(笑)、「星野リゾート ネコマ マウンテン」の周囲にはユニークな魅力をもつエリアがたくさんあるんです。まず鶴ヶ城を基点とした城下町の趣を楽しめる会津若松エリア、日本三大ラーメンとして有名な喜多方ラーメンが味わえる喜多方エリア、そしてワカサギ釣りなどの豊かな自然を活かしたアクティビティが豊富な裏磐梯エリアなど……欧米のスノーリゾートに匹敵するバラエティ豊かな滞在が可能ですから、ぜひスポーツと会津の伝統や文化を一緒に味わっていただきたいですね。

鶴が城の愛称で親しまれる会津若松城。江戸時代に会津若松と日光今市を結ぶ重要な街道道の宿場町として栄えた大内宿へのバスツアーも「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」より運行している。

鶴ヶ城の愛称で親しまれる会津若松城。江戸時代に会津若松と日光今市を結ぶ重要な街道道の宿場町として栄えた大内宿へのバスツアーも「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」より運行している。

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text and edit by Miyako Akiyama

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