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2025.01.20 11:30

2700万人突破の新興SNS「Bluesky」、Xの轍を踏まないための取り組み

BlueskyのCEOを務める女性エンジニアのジェイ・グレイバー(Kimberly White/Getty Images for WIRED)

1月13日に開設されたサイト「Free Our Feeds」のトップには、「ソーシャルメディアを億万長者の支配から救おう」という文言が記載されている。この団体は、公益財団を設立して3年間で3000万ドル(約47億円)を調達し、「AIプロトコルをベースとしたSNSエコシステムの開発を支援していく」と宣言した。
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モジラ財団の2人の幹部が運営するFree Our Feedの賛同者には、ウィキペディアの創設者ジミー・ウェールズや台湾の元デジタル大臣オードリー・タン、ミュージシャンのブライアン・イーノらも名を連ねている。

一方、Blueskyのアプローチは、XやThreadsと比べると、ユーザーに少し多くの努力を求めるもので、コードを書けない人が、自分でフィードやラベルを作ることは難しい。また、コードを書く必要がない場合でも、モデレーション設定をカスタマイズする方法を理解するには少し忍耐が必要だ。

Xの「ブロック廃止」も追い風に

しかし、「製品が十分に良ければ、そのような障害も気にはならない」と話すのが、ビリオネアの投資家マーク・キューバンだ。Blueskyのエクスペリエンスが「本当にソーシャルだ」と高く評価するキューバンは、「ここで日々の出来事を投稿すると、ポジティブな反応が返ってくる」と述べている。ただし、彼のBlueskyのフォロワーは約80万人であり、Xをフォローする880万人に比べればごくわずかだ。

キューバンは、「私と意見が合わない人もたくさんいるが、それも魅力的なプラットフォームの一部だ」と語る一方で、Blueskyのブロック機能や通報システムが、「荒らし行為を行なう人々の動機を削ぐのに役立つ」と評価している。
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また、Blueskyには他のプラットフォームには存在しない「引用投稿の切り離し」というハラスメント対策に有効な機能が設けられている。Blueskyでは、Xと同様に他人の投稿を引用した上で自分のコメントをつけて投稿することが可能だが、中には引用で元の投稿やそのユーザーを中傷するユーザーも存在する。そのためこのプラットフォームは、他のユーザーの引用を元の投稿から切り離せるようにしている。

しかし、Blueskyの支持が高まっている理由の多くは、リベラルな姿勢を持つユーザーたちが、競合のプラットフォームで廃止された機能を利用可能にしている点にある。Blueskyのユーザー数は、Xが昨年10月に従来のブロック機能を廃止すると発表した後に、1日で50万人も増加した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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