ユーザーに選択肢を与えるBluesky
Blueskyの特徴の1つは、ユーザー自身がホーム画面のタイムラインを自由に設定できる「カスタムフィード機能」があることだ。メタのThreadsにも、新たにフォローしたアカウントの投稿だけを表示するフィードが導入されているが、Blueskyではもっと細かな条件で作られたカスタムフィードを使用することが可能で、「ガーデニング」や「トレイルラン」あるいは「猫」など、特定のテーマに合致する投稿のみを表示できる。このようなユーザーに選択肢を与える姿勢は、他の機能にも広がっており、例えば人工知能(AI)が生成したアートを見たくないなら、それを検出してブロックするフィルタリングのシステムを構築することもできる。また、Blueskyのモデレーション設定が気に入らない場合は、自分で別の設定を行える。ただし、同社が設けた最低限の基準を下回ることは許されておらず、違法なコンテンツやハラスメントなどは厳格に禁止されている。
また、Blueskyのオープン化の姿勢は、アプリそのものの概念にも及んでおり、将来的にATプロトコルが他のプラットフォームで採用されれば、ユーザーは好みに応じてプラットフォームを行き来できるようになる。
「広告モデル」には慎重
Blueskyは、他のSNSプラットフォームのような、ユーザーの膨大な個人データを収集し、それをもとに広告主がターゲット広告を行えるようにする戦略をとっていない。このアプリは、少なくとも現時点では、完全に公開されており、ユーザーデータが社外からもアクセス可能な状態になっている。グレイバーは、広告そのものに反対しているわけではないが、SNSにおける広告が「過剰に搾取的になっている」と指摘する。彼女は、このプラットフォームの主要な収益源をまだ決めかねているというが、Blueskyは現在いくつかのサブスクリプション製品のテストを準備しており、広告のテストも検討している。しかし、「広告モデルにおいてもユーザーが主導権を握れる形を目指している」とグレイバーは語った。
彼女はまた、このアプリの核となるATプロトコルを、真に独立したものにするための取り組みを進めており、先日は、彼女に賛同する業界の著名人らが「Free Our Feeds」と呼ばれるキャンペーンを立ち上げた。