G3彗星、どこに見える?
太陽の強烈な熱と重力に意外にも耐えきった彗星は現在、夕方の西の空に見える。天文情報サイトのTheSkyLiveによれば、彗星はやぎ座に位置し、地球からの距離は1億4600万キロ。「この彗星は1月14日に夕方の空に現れ、1月20日ごろまでその位置にとどまるだろう」と、アマチュア天文家のボブ・キングは天文情報サイトSky&Telescopeに記している。「その後は地平線の下に沈み、南半球の天文ファンにとって最高の観測条件となるだろう」
G3彗星を観測するコツは
アトラスG3彗星の観測に最も適しているのは、南半球だ。1.8等級の明るさで輝き、地平線からの高度も十分にあるため、簡単に観測できる。一方、北半球から彗星を見るには、光害と無縁の暗い空、西の低空が開けた場所、双眼鏡、そして日没直後に外に出て西の空を見る必要がある。北半球でも、南の地点ほど観測チャンスは広がる。
Sky&Telescopeのキングは1月14日、10x50の双眼鏡を使って彗星を見つけた。まず明るい金星に焦点を合わせ、それから地平線から数度の高さの範囲を探した。「日没から18分後、白く明るい点が視界に飛び込んできた」と報告している。
自分のいる場所から彗星を見るには、プラネタリウムソフト「Stellarium(ステラリウム)」を活用するといい。ブラウザ上でプラネタリウムが手軽に楽しめるStellarium Webでは、デフォルトで彗星の位置がマークされており、いま彗星がどこにあるのかを正確に特定できる。

G3彗星、今後はどうなる?
アトラスG3彗星は、地球近傍天体の探索を行うNASAの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって2024年4月に発見された。当初から金星と同じくらいの光度になると予測され、今まさに日没後の西の空に明るく輝いている。しかし、その将来は不確実だ。
アマチュア天文団体の英国天文協会(BAA)に所属する彗星の専門家ニック・ジェームズは「予測通りなら、彗星の明るさは現在のマイナス2.5等級から、1週間後には3等級かそれ以下まで落ちるだろう」としつつ、「太陽に接近した後の彗星の状態を予測するのは非常に難しい。予測よりもずっと明るくなったり、暗くなったりするかもしれない」と宇宙天気情報サイトSpaceweather.comに語っている。
(forbes.com原文)