2. 職場で敵意に遭遇する
職場によっては、成績優秀者が先輩や同僚によって、重要な議論や楽しい活動から外されたり、昇進から取り残されたりすることがある。また、管理職の中には、高い業績を上げている社員について、昇進させるよりも、現在の職務に留まらせたいと考える人もいる──彼らがいなくなってしまうと、生産性に問題が生じるかもしれないからだ。しかしそのような行動は、従業員の恨みを買い、ビジネスの成長を低下させる可能性があるため、職場の生産性にとっては有害だ。高い業績を上げている人は、不安や自信喪失を経験し、自分の業績を共有したがらなくなるかもしれない。職場では真の満足感が得られないと感じ、自分の本当の可能性を隠してしまうかもしれない。
米国中西部の白人女性に関する調査によると、職場の女性はしばしば、彼女たちの成功を認めたくない他の女性からの妬みや否定的なコミュニケーションに直面している。そのような職場は、成功に報いるどころか、成功を阻み、「背の高いケシ」を疎外する傾向がある。
3. 集団的な価値観の影響を受けて、有意義なコンテンツを作ることに消極的になる
芸術業界や音楽業界の人々は、馬鹿にされることを恐れてコンテンツ作りをためらうようになるかもしれない。トールポピー症候群のより広範な文化的影響としては、「他国文化への隷属的姿勢(カルチュラル・クリンジ)」との関連性が挙げられる。例えばオーストラリア人の中には、地元の業績や芸術、革新性を過小評価し、外国からやってくる成功を好む人がいる。このような、自国の功績を称えることへの消極性は、自身が属するコミュニティ内での成功をしっかり受け入れることに対する集団的ためらいから生じている。
実際、発展途上国など多くのコミュニティには、「より良い」音楽や映画を海外に求め、地元の才能ある若者を無視する傾向がある。例えば、若者は韓国の人気グループ「BTS」が大好きだが、同じようなスタイルを模倣する地元の新進気鋭のポップミュージシャンは「見るのも恥ずかしい」と言って無視するかもしれない。
こうした力学は、創造的で野心的な個人、特にクリエイティブな分野や起業家精神に影響を及ぼす。才能のある人は、コミュニティからの反発や、支持が得られないことを恐れて、自身の情熱を追求したり、成果を披露したりすることをやめてしまうかもしれない。