筆者は大川氏に社長付・会長付などとして仕えました。大川氏は米国のエンジェルを超える、いわばメガ・エンジェルとも言うべき、IT界の大旦那としても活躍しました。国も自治体も声高に「スタートアップ」の振興を唱え、「ユニコーン」「グローバル」といったキーワードも目立つ今、氏に改めて学んでみてはいかがでしょうか。
「Against all odds」なる言葉があります。これは「大きな困難にもかかわらず/ほとんど勝ち目がないのに/あらゆる予想を覆して」といった意味を持ちますが、大川功氏はこれを体現するとともに、そういう人や組織をサポートしました。甘ったれるな、と言いながらもパイオニアたちを応援し、そこから未来がつくられています。
困っている先駆者をサポートする
いまや著名経営者となった方も、大川氏が助けた例があります。詳細は過去の報道ほかに譲るとして、小生が評議員を務める大川ドリーム基金の理事であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ社長・CEO増田宗昭氏、後にセガを引き取ったセガサミーホールディングス会長里見治氏など、いずれもチャレンジしてピンチに陥った時に大川氏が支援しました。アスキー創業者西和彦氏はアスキーとご自身への支援について詳しく語っています。
野茂英雄氏は米国メジャー挑戦のパイオニアとして今では尊敬されていますが、大川氏は日本で猛批判の嵐の中、日本で(今では想像もできないような)猛批判の嵐の中にいる野茂氏をサポートしました。また、格好つけずに「成金が文化をつくる」と語り、相撲(特に外国人力士)、芸妓・舞妓などの文化ほか、様々なサポートをしました。
