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2025.02.03 14:15

世界のトップリーダーを魅了。CSK・セガ グループ総帥 大川功氏の交友マジック

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日本文化で徹底的にもてなす


これらはお金に関するエピソードですが、それを超えた個人的なつながりを育む大川氏の行動は圧巻でした。オラクル創業者ラリー・エリソン氏との縁はよい例です。
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日本文化を愛するエリソン氏は、春の桜祭りシーズンに俵屋旅館に泊まるなど京都を訪れることがありました。スティーブ・ジョブズ氏夫妻といっしょに京都に行くという時に、大川氏のスタッフ兼通訳として筆者が同行しました。なぜか新宅正明氏(元日本オラクル会長、大川ドリーム基金理事)から、オラクルからスタッフ無しだから本荘くんヨロシクと任されて緊張したことを思い出します。

オラクル創業者 ラリー・エリソン氏

オラクル創業者 ラリー・エリソン氏

しかも、昼過ぎから夜までの長時間にわたるもてなし。大川氏自らプログラムの陣頭指揮をとり、花びらがはらはらと舞う中での舟遊び、芸妓・舞妓さんたちの芸などを楽しんでいただきました。ジョブズ夫妻はアートに興味を示し、それを贈りたいという大川氏のメッセージを、奥様が別室で休憩されている時に伝えると、一瞬躊躇されましたがジョブズ・ファミリーの住所を教えていただけました。夕食では大川氏がジュニア・サミット(世界の子どもの声を聞き、デジタル社会の未来をつくるイニシアチブ)への思いを、筆者がジーンとしながら(声やや震え気味で)伝えると、みなさん共感されていたようでした。

こうして大川氏とエリソン氏の個人的なつながりは深まり、エリソン氏は大川氏の京都の別邸で、風呂桶にも興味を持ち、大川氏が槇(マキ、水に強く汚れにくい木材)でできていると答えるなど、細部にわたり会話が弾みました。後日、大川氏の米国出張でエリソン氏のサン・フランシスコのご自宅の一つに招かれ、またウッドサイドの新邸宅のプランについて大川氏のコメントを求められるなど、筆者も通訳に困るような対話が続きました。
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筆者はもともと国際派でしたが、海外の方々との縁づくりに積極的になりました。また、海外の方との機会では和装で臨むようにし、文化的な話題も交えるようにしました。そして、目の前の損得よりも、面白い、共感するからと、個人的な縁を育むようにしました。その結果、500 Globalなど数カ国のアクティブな方々との強い縁ができました。これも大川氏との体験があればこそと思います。

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